SRモータを力行、制動、発電回生、逆転動作をさせる場合は、HB回路を使用します。
電流を流す区間(インダクタンスの増加区間、減少区間)と電流値により、トルクの値と方向が変化します。
HB回路の二つのスイッチのオン、オフを制御することにより、励磁巻線に印加される電圧値と極性をかえ、電流を設定します。
力行はインダクタンスの増加区間の前部3/4期間に電流を流し、正方向のトルクを発生させます。
制動、発電回生はインダクタンスの減少区間に電流を流し、逆方向のトルクを発生させます。
逆転は逆転時のインダクタンスの増加区間の前部3/4期間に電流を流し、逆方向のトルクを発生させます。
逆転時のインダクタンスの増加区間は、正転時のインダクタンスの減少区間と少しズレがありますが、ほぼ同一です。
トルクの値はモータの場合と同様にンダクタンスの変化率と電流値により決まります。
励磁巻線に印加される電圧は、スイッチのオン、オフ、電源電圧、巻線抵抗電圧及びスイッチのオン電圧により決められます。
インダクタンスへの印加電圧は、励磁巻線電圧と速度起電力を合成したものです。
インダクタンスへの印加電圧により、電流が増減します。
増減率は 印加電圧/インダクタンス に比例します。
インダクタンスに印加される電圧は、速度起電力、巻き線抵抗電圧及びスイッチのオン電圧の変化により、変化します。
設定トルくを維持するには、設定した電流値になった後、スイッチのオン、オフにより、インダクタンスに印加される電圧の平均がゼロになるよう制御します。
S1、S2のduty比を変えることにより、励磁巻線に印加する電圧値と極性をきめます。
(下の例では、励磁巻き線への印加電圧Vは E から ーE まで変えれます。)
duty比による電圧を平均値で表示すると次のようになります。
前部の高電圧で電流を設定し、その後、速度起電力と励磁巻線への印加電圧が等しくし、インダクタンスの印加電圧をゼロにすると電流は一定になります。
力行、逆転時と制動、発電回生時は速度起電力の方向が逆になります。
電流のdI/dtに速度起電力の方向が影響しています。
速度起電力はトルク、機械出力とリンクしています。
力行、逆転時時は電源から速度起電力に電流を流しエネルギーを供給し、
制動、発電回生時は速度起電力から電源に電流を流しエネルギーを回生しています。