haratkhr技報

SRモータ技術研究所

モータの原理と効率

誘導モーターの原理を見直してきましたが、最後に、直流モータとスイッチトリラクタンスモータの動作を、先日、出願したスイッチトリラクタンスモータの明細書で説明します。

 

【発明を実施するための形態】の抜粋

 

【0024】

従来の直流モータの巻線の構成と磁束の例を図4に示す。一般に、DCモータの回転原理はBLI則と呼ばれる、磁界を横切るようにおいた電線に電流Iを流すと、電線に発生する力で説明されますが、鉄心溝のある直流モータの場合、磁束は鉄心を通り、電線の空間には磁束がほとんど無く力の説明が出来ません。これを磁力線という概念によって統合して説明する方法があり、磁力線には、ゴムひものように縮もうとする作用があり、鉄の近くに電線を置いて電流を流すことで磁力線を曲げると、真っ直ぐになろうとする力が働くと説明されます。図4に示す電機子位置でシンボルで示す正負の方向に電機子に電流を流すと「右ネジの法則」に従って、電流を中心とした、同心円状の磁束が発生します。永久磁石による磁束と電機子による磁束が加算され、矢印で示す曲がった磁束が発生し、真っ直ぐになろうとする力が発生し、反時計回転方向CCWへトルクが発生する。

 【0025】
直流モータの電機子を電機子に電流を流さないで、回転させると、巻線と鎖交する磁束の時間的変化の割合いとして誘起電力が発生し、本発明のスイッチトリラクタンスモータも駆動電流を流さないで、回転させると誘起電力が発生します。磁力線が縮もうとする作用と、誘起電力からみると、本発明のスイッチトリラクタンスモータと直流モータの回転原理は同等である。本発明のスイッチトリラクタンスモータは、直流モータと同様に励磁磁束は変化せず励磁エネルギーを電源に回収する必要がないため力率は直流モータと同等となる。

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全てのモータは、SRモータをのぞいて、BLI則からくる、磁界を横切るようにおいた電線に電流を流したときの力で回転しています。

トルク発生の原理が同一のため、励磁電流の損失が効率に大きく影響します。

永久磁石が使用できる、DCモータ、PM同期モータ、NewSRモータが有利になります。

誘導モータは励磁電流の損失に加え、トランスを介して2次電流を供給しているため、電流VAが2倍必要です。