モータの力率が低いと電流が増え銅損が大きくなります。
インバータ駆動のモータでは、半導体での損失も問題になります。
ユニバーサルモータの力率は100%に近いと思います。
IM、IPSMの力率は良く知りませんが80%-90%はあると思います。
文献に記載されているSRモータの、この技報の定義では力率は40%-45%です。
力率の改善に永久磁石を使用したSRモータの文献を見た覚えがありますが、一般のSRモータの理論力率は50%でこれ以上の改善は不可です。
SRモータがほかのモータに比較して、力率は半分ですが、銅損は巻線が固定子のみの半分なので、つりあいがとれていると感じています。
半導体での損失が大きくならないようにオン電圧の低い素子が必要です。
正対時と非正対時のL値の比が5倍の時 力率 = 50%X(5-1)/ 5 =40%
正対時と非正対時のL値の比が10倍の時 力率 = 50%X(10-1)/ 10 =45%
正対時と非正対時のL値の比が20倍の時 力率 = 50%X(20-1)/ 20 =47.5%
正対時のL値はギャップで自由に設定できますが、出力を上げるためにギャップを広くすると、二乗で利く電流値を大きくできますが、正対時のL値が低下するため、力率が低下します。
設計で出来ることは、非正対時のL値をゼロに近づける磁気回路の設計のみですが、これが困難で、磁気回路設計の主課題です。
標準的な3相6/4極のSRモータはよく検討された結果とおもいますが、設計例のギャップ長は約0.2mmと苦しい設計になっていると想像しています。
設計力率の目標は45%(40%以上)と考えています。