通常、インダクタンスの測定は,以下の回路で商用電源より電流を流し、V Iより計算でLを求め、機械角-インダクタンス図が作成されます。
しかし、この図では鉄心の飽和によるインダクタンスの変化のデータが入っていません。
飽和特性の把握は重要です。
チョークの設計で飽和特性を測定するには、VーI特性の測定に加えてB-I曲線を求めます。
不飽和での測定例(シュミレータ波形)を以下に示します。
AC9Vより1mHのチョークに23.9A流し、磁束は電圧をCRによる積分により得ています。
このシュミレータは鉄心の飽和特性が設定できませんので不飽和となっていますが、実機では許容範囲内で最大の電流をながし、飽和させます。
この方法では、ヒステリシスを含んだ正確なB-I曲線がえられます。
積分時定数、電流検出抵抗値は測定誤差が生じないように設定します。
電源波形の歪、周波数の誤差はB-I曲線への影響はありません。
飽和した場合、B-I曲線は上部、下部で水平方向に曲がります。
ギャップが無い場合は幅を持ったヒステリシスカーブになります。
機械角を変えて得たB-I曲線を合成すると、B-H曲線になります。