くま取りコイル単相誘導モーターの解説は、一般的に以下の様になっています。
固定子磁極の一部に溝をつくり、これに短絡銅帯(くま取りコイル)を設る。
くま取りコイルがある部分の磁束は端絡環に短絡電流が流れるので、位相がコイルがない部分の磁束より遅れ、くま取りコイルがない部分からある部分方向に磁束が移動する現象が生ずる。
これにより左磁極では下から上、右磁極では上から下方向に磁束が移動し、回転子に右回転の始動トルクができる。
始動トルクは小さいので小型機に限定される。
この技報のくま取りコイル単相誘導モーターの解説は以下のとおりとです。
始動トルクを発生させるには、2次電流の位相と直交磁束の位相を同相に
する必要があります。
(単相誘導モーターの原理 で説明しています。)
主巻線の2次電流の位相は電源電圧と同相です。
主巻線の磁束は電源電圧より90°遅れます。
かご型ローターが停止時のくま取りコイルの電流は電源電圧と同相のため、くま取りコイルがある部分の磁束は90°の遅れより電源電圧の位相に近づきます。
直流モータと同様に、くま取りコイルがある部分の磁束と2次電流の関係で、回転子に小さい始動トルクが発生する。
かご型ローターが停止時の、くま取りコイルの電流の位相は電源電圧と同相ですが、回転を始めると少し遅れます。(実測)