この技報では、TA値をDCモータが1Aの電流で発生するトルク(N・m)と規定します。
KV値、ターン数 の中で紹介したKV値は、1Vの速度起電力を発生させるのに必要な、1分間の回転数を表しています。
トルクX2πx回転数/60=速度起電力X電流、回転数=KV値x速度起電力より
TA値=60/(KV値x2π)とすると
トルク=TA値x電流となります。
Tsの測定 のモータでの検証
無負荷回転数:17000rmp 7.2V 1.8A 0.143Ωより
速度起電力=7.2-1.8x0.143=6.94V
KV値=17000/6.94=2450(rpm/V)
TA値=60/(2450x2π)=0.0039(N・m/A)
10Aなら 39 mN・mとなりTsの測定 のTs測定値と略一致します。
無負荷回転時の機械ロスが計算に入っていませんので誤差があります。
定格のトルクは実測しなくてもKV値(回転数と速度起電力)より求まりますが、Tsは鉄心の飽和によりトルクが低下する恐れがあるため、実測が必要です。
モータの定格電圧は、停動電流により鉄心が飽和しない電圧に設定されていると思います。