直流モータの磁束密度分布より、回転子-固定子間ギャップの磁束を考えました。
一般に、モータの鉄心は巻線のスペースを確保する為、溝が設けられ鉄心が狭くなっている部分があります。
狭い部分は磁束密度が高く、飽和により電機子電流の最大値が決まります。
直流モータの磁束密度分布例
鉄心の幅が狭くなっている部分が2.0Tと飽和直前の時、フェライト磁石の磁束密度が0.2-0.3Tと低いことに着目しました。
視点
・磁束密度の低いフェライト磁石を使用したモータが多く用いられている。
・3相2極PMモータ は希土類磁石が使われていますが、ギャップが1.5mmと長いのは磁束密度を低く(約0.2-0.3T)設定するためと思われる。
・小型モータの、フェライト磁石の厚みは約3-5mmですが、希土類磁石の厚みは約1mmです。
結論
1.鉄心が狭くなっている部分があるため、ギャップの磁束密度を高く設定出来ない。
2.希土類磁石を使用すると磁石の厚みを薄くし、モータを小型化できる。
3.ギャップの磁束密度を高く出来ないため、希土類磁石を使用しても、トルクは大きくならない。
4.希土類磁石を使用したIPMモータのロ-タ内部の磁束密度は高いが、ギャップの磁束密度は0.2-0.3Tと思われる。
5.誘導電動機も 鉄心が狭くなっている部分があるため、直流モータと同様にギャップの磁束密度を高く設定出来ない。
強引な結論付けですので、引き続き検討します。
今、「NewSPMモータ のなかでフェライト磁石を希土類磁石に変えると、速度起電力が約3倍になるため、巻数を1/3にして最大出力は・・・」は誤りと思っています。