電力系統に関連する、発電機の並列運転と系統連系機器を調べました。
1.発電機の並列運転
2台以上のエンジン発電機が並列に接続され、一体となって運転します。
電圧、位相、周波数、電圧波形が等しいことが必要です。
発電機の並列運転の概要は、
「エンジン発電機の並列運転 」
「 同期検定器盤 」
等で説明されています。
2.系統連系インバータ
太陽光発電システムで使用されるパワーコンディショナーは、商用電源と同一の電圧、位相、周波数、波形の交流電圧を発生させ、商用電力に電力を供給する系統連系インバータです。
系統連系インバータ の概要は、
「連系インバータの基本 」
等で説明されています。
3.逆変換回路
周波数変換所、直流送電で逆変換回路が使用されています。
直流送電は、送電側でSCRスタックを使用して交流から直流に変換し、受電側でリアクトルの定電流回路とSCRスタックを介して、直流から交流に逆変換しています。
逆変換回路はインバータで交流電圧を発生させるのでなく、インダクタンスによる直流定電流源から、SCRスタックを介して交流電源に矩形波電流を流し込んでいます。
高電圧のSCRスタックを使用し、変換損失が少ない特徴がありますが、無効電力の供給と高調波対策が必要です。
受電側で逆変換からの電力量の割合が増えすぎると、動作が不安定になります。
直流送電の概要は
「直流連系採用の理由 」
等で説明されています。
この技報では「逆変換回路 」でとりあげています。
4.逆変換電流インバータ
「電流インバータによるパワーコンディショナ回路 」は逆変換回路の制御性を向上させた系統連系電流インバータです。
逆変換と同様に、交流電圧を発生させるのでなく、受電側の交流電圧に半導体スイッチを介して、制御された正弦波電流を流し込みます。
SCRに替えて自己OFF出来る半導体スイッチを用い、電流値を増減できるPWM制御の定電流回路を用いています。
無効電力の供給と高調波は不要です。
逆変換回路と異なり、電流値をコントロールできるため、受電側の電圧が不安定でも異常電流は流れず、損傷を防ぐための自動停止は不要です。
逆変換電流インバータは、受電側の電圧と周波数が乱れても安定して電力を供給でき、電源異常への適用能力が高いと考えています。
新聞記事「ブラックアウト3つの謎、問われる北電の説明責任」を、「電力系統の基本的要件と 我が国の電力系統の特徴について」、「北海道電力 2018年7月~の電力使用状況データ 」等を参考にして読んでいます。
2018 09 20
新聞記事「18分間に3度負荷遮断 周波数が急低下 」に周波数が 50->46.13Hz まで急落したとありますが、電圧の状況は不明です。
電力系統の周波数は、エリアにかかわらず同一ですが、電圧はエリアにより異なります。
2018 09 21
電流インバータによるパワーコンディショナ回路 の 全回路図を追記しました。