ネオジム磁石を用いたIPM DC整流子モータを紹介します。
ユニバーサルモータと比較して小型・高効率のIPM DC整流子モータ を考えました。
検討経緯
ブラシレス同期モータ
ネオジム磁石は、一般に使われているフェライト磁石より強力ですが、機械的強度がありません。
フェライト磁石は機械強度があり、SPMモータに使用されています。
ネオジム磁石は、ローターの内部に磁石を埋め込むIPMモータに使用されています。
ネオジム磁石は、薄厚で高磁束密度が得られるため、IPMモータは小型・高効率です。
DC整流子モータ
一般にフェライト磁石が使用されています。
電機子の鉄心は巻線のスペースを確保するため細くなっており、磁石表面の磁束密度を大きくすると鉄心が飽和するため、磁束密度は0.2-0.4テスラに設定されています。
構造を変更しないで高磁束密度のネオジム磁石を使用するには、ギャップを広くして磁束密度を下げる必要があり、高磁束密度の特徴を有効に利用できません。
IPM DC整流子モータ
IPMモータの構造(鉄心内部に磁石を埋め込む)を参考にして、ユニバーサルモータの巻線界磁をPM界磁に変更しました。
磁石近傍の鉄心が細くなっている部分は、飽和させて磁気的に分離しながら機械強度を持たせています。
特性の概要は、PM界磁と直巻界磁 を参考にして下さい。
ネオジム磁石によるIPM DC整流子モータは大型モータに適していると思います。