haratkhr技報

SRモータ技術研究所

IPM DC整流子モータ

 ネオジム磁石を用いたIPM DC整流子モータを紹介します。

 

ユニバーサルモータと比較して小型・高効率のIPM DC整流子モータ を考えました。

f:id:haratkhr:20190129134158j:plain

検討経緯

ブラシレス同期モータ

ネオジム磁石は、一般に使われているフェライト磁石より強力ですが、機械的強度がありません。

フェライト磁石は機械強度があり、SPMモータに使用されています。

ネオジム磁石は、ローターの内部に磁石を埋め込むIPMモータに使用されています。

ネオジム磁石は、薄厚で高磁束密度が得られるため、IPMモータは小型・高効率です。

f:id:haratkhr:20190125185718j:plain

 DC整流子モータ

一般にフェライト磁石が使用されています。

 電機子の鉄心は巻線のスペースを確保するため細くなっており、磁石表面の磁束密度を大きくすると鉄心が飽和するため、磁束密度は0.2-0.4テスラに設定されています。

構造を変更しないで高磁束密度のネオジム磁石を使用するには、ギャップを広くして磁束密度を下げる必要があり、高磁束密度の特徴を有効に利用できません。 

f:id:haratkhr:20190125190618j:plain

IPM DC整流子モータ

IPMモータの構造(鉄心内部に磁石を埋め込む)を参考にして、ユニバーサルモータの巻線界磁をPM界磁に変更しました。

磁石近傍の鉄心が細くなっている部分は、飽和させて磁気的に分離しながら機械強度を持たせています。

 特性の概要は、PM界磁と直巻界磁 を参考にして下さい。

ネオジム磁石によるIPM DC整流子モータは大型モータに適していると思います。