haratkhr技報

SRモータ技術研究所

フォワードコンバータ

フォワードコンバータは、降圧コンバータの主スイッチに替えて、トランス、トランス駆動スイッチ、整流ダイオードを設けています。

 

降圧コンバータは、降圧比が大きい場合、効率が低下します。

トランスにより降圧比を調整したのがフォワードコンバータです。

 回路方式は、1石式、プッシュプル式、ハーフブリッジ式、フルブリッジ式があります。

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トランスはエネルギーの蓄積が不要ですが、飽和防止の為に微小ギャップが設けられています。

電圧を印加するとエネルギーが蓄積されるため、このエンルギーの処理が必要です。

 

 1.1石式

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主スイッチがOFFしている間に、トランスに蓄えられたエネルギーを放出する抵抗/コンデンサ/ダイオードのリセット回路が必要です。

 磁束をリセットするまでスイッチをオンできず、オンdutyの制約があります。 

 

2.プッシュプル式例

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なクラシックな回路ですが、最近はあまり使用されていません。

VCEの基本は電源電圧の2倍ですが。振動電圧が加算されると約3.5-4倍と高くなるのが使用されない理由と思います。

但し、振動電圧を無くす対策回路(電流トランス型DC/DCコンバータ回路 で紹介)があります。

 

3.ハーフブリッジ式例

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 トランスの利用効率が高く、直流励磁に強く、VDSが電源電圧と同じになります。

 トランス駆動スイッチがオフの時は、2次巻線は電流バランサとなり、電流は2分割されて各ダイオードに流れます。

 

4.フルブリッジ式 

トランスの利用効率が高く、VDSが電源電圧と同じになるのはハーフブリッジ式と同じですが、2分割コンデンサが不要のため、 大電力のコンバータに使用されます。

ハーフブリッジ式用の制御ICとハイサイドドライバーを使用すればシンプルな回路構成になります。

 

オートトランスは自己容量が小さく高効率です。

http://www.tokyo-seiden.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/catalog/CAT-0009.pdf

 フォワードコンバータに、オートトランスを使用すると効率が改善しますが、トランスをGND側に配置するため主スイッチの駆動が難しくなります。