半電池で構成された電池の等価回路を作成しました。
1.電池(ガルバニ電池)の原理
・二つの物質A、Bの酸化還元反応の標準生成ギブスエネルギーがマイナスの場合、自発変化でA、Bを直接触れさせて酸化還元反応させると標準生成ギブスエネルギーが熱エネルギーになります。
・Aを陽イオンと電子に分け、電解質を経由した陽イオンとBと外部よりの電子より酸化還元反応させると標準生成ギブスエネルギーが起電力による電気エネルギーになります。
・電極–電解液 界面に電極電位が発生します。
・電極電位は陽極と陰極で発生し、この和が起電力(電池電圧)です。
・電極電位は反応生成物により低下します。
(分極、電解質中イオン、電極表面析出物 等)
・起電力は標準生成ギブスエネルギー又は標準電極電位より算出できます。
2. 電池等価回路 起電力=Ep-En
( 条件 : 無 反応生成物 )
◎電解質を挟んで電極電位が発生します。
◎Epに+の電極材料、Enに-の電極材料を使用すると電圧は加算されます。
◎腐食反応は、等価回路の+と-が短絡された状態で電流が流れRd、Rk で発熱します。
Ep : 陽極起電力 En : 陰極起電力 Rd : 電解質の電気抵抗 Rk : 電極の電気抵抗
3.電極電位
電極と電解質に針を立てて電圧を計ろうとすると、針と電解質間に電位差が足されます。
標準電極電位は標準水素電極を用いて測定されますが、電極電位そのものは測定不可能です。(vs SHE )
4.電位分布の模式図
5.起電力算出 例
〇ダニエル電池
標準電極電位 E°Zn2+/Zn=–0.7628 V および E°Cu2+/Cu=+0.337V より、
電池の起電力 = Ep - En = 0.337V - (–0.7628 V ) = 1.100V となります。
〇燃料電池
標準電極電位 E°H2/H2O=0 V および E°O2/H2O=1.229Vより、
電池の起電力 = Ep - En = 1.229V - (0 V) = 1.23V となります。