Ni/H2電池は宇宙用途として開発されていますが、地上用途の最適化を考えました。
電気自動車にはリチウムイオン電池、燃料電池が使用されていますが、資源、コストの課題があります。
常圧容器と高圧水素タンクを使用したTwo Container Ni/H2電池で課題解決を目指します。
Two Container Ni/H2電池
概要
・Ni/H2発電ユニットと水素ガスを常圧容器 (0.1―2.0 気圧)に封入します。
・充電時は、発生するH2ガスを車載の圧縮機で加圧、冷却して高圧水素タンク(35MPa)に貯蔵します。
・回生発電時は、発生するH2ガスを常圧容器に貯蔵します。
・常圧容器の水素ガス圧力を放電時に高く、充電時に低くすると、充放電効率が向上すると推定しています。
・圧縮機は、エコキュートの炭酸ガス圧縮機(10MPa)の変更で対応します。
・燃料電池では水素ガスと空気の2系統のガスシステムが必要ですが、この方式では水素ガスのみで機構がシンプルです。
・燃料電池では放電で水が生成されますが、この方式では水素が正極に吸収され水が生成されないため、容器内部を密閉します。
・燃料電池ではカソード触媒(カーボン担持 Pt触媒)が必要ですが、この方式では水酸化ニッケル(Ni(OH)2)を使用しカソード触媒は不要です。
・燃料電池ではアノード触媒としてPt触媒が使用されていますが、この方式ではNi/MH電池に使用されているニッケル微粒子触媒が使用できる可能性があります。
水素量計算 例
水素吸蔵合金研究開発で、「有効水素吸蔵量3質量%」の目標があります。
水素エンジン自動車が一回の水素充填で400km(燃料電池自動車では600km程度)走行できることを想定しています
400kmの走行に要するガソリン20ℓと同じ発熱量を示す水素は5kgです。
有効水素吸蔵量3質量%の水素吸蔵合金の場合、167kgの合金が必要です。
有効水素吸蔵量1質量%の希土類系A B5型合金(Ni/MH電池で使用)の場合、約500 kgの合金が必要です。
燃料電池自動車仕様 例