固体電解質を調べました。
固体であっても、その中をイオンが容易に動きうるものがあり、イオンによる導電現象を示す物質は固体電解質と呼ばれています。
安全性や信頼性の観点から、無機固体電解質が究極の形態と考えられます。
リチウムイオンの無機固体電解質は結晶とガラスに大別されます。
結晶材料では、欠陥構造や層状構造、平均構造といった特殊な構造デザインがイオン伝導性を高めるうえで不可欠です。
ガラス材料では、導電率を増大させるためにキャリアであるリチウムイオン濃度を高めることが最も重要です。
酸化物系と硫化物系を比較すると、結晶とガラスのいずれにおいてもリチウムイオン伝導性は分極率の大きい硫化物系のほうが高くなります。
全固体二次電池
有機電解液を無機固体電解質に置き換えた全固体リチウム二次電池が注目されています。
薄膜型全固体電池
気相法を用いて薄膜を積層することにより、良好な電極-電解質間の固体界面接合を実現し、40,000 サイクルの充放電を行ってもほとんど容量劣化が生じないことが実証され、すでに実用化されています。
バルク型全固体電池
微粒子を積層することによって作製され、電極層に電極活物質を多量に導入することによって電池容量を大きくできます。
室温で高い導電率を示す固体電解質の開発、良好な電極-電解質固体界面の構築という二つのハードルがあります。
電極層内にもリチウムイオンの伝導経路としての固体電解質を用いることから、粒子間の接触抵抗も含めた導電率 が高く、電極活物質とのあいだで界面形成が容易な固体電解質の開発が必要です。
全固体電池のメリット
1. 安全性、信頼性の向上
2. 高エネルギー密度化
有機電解液の場合、高電圧を得るには多数電池の直列接続が必要です。
固体電解質の場合、流動性がないので正極、電解質、負極の積層化で高電圧が得られます。
全固体二次の今後の展望
電気自動車用として全固体電池が研究開発されていますが、良好な特性を持つ個体電解質の探索・発見にかかっています。
実用化が一番近いのは、硫化物型全固体電池と思われます。
現状ではまだ研究開発段階で、生産技術もある程度同時に進められていますが、実用化、量産化にはまだハードルが残されている様です。