商用電源にチョークを並列接続すると、電圧V、電流Iの波形は下図の様になります。
「電流は90度遅れ、電流波形は正弦波で、力率はゼロです。」の説明は正しいですが、これだけでは、なぜそうなるかの説明になりません。
L=チョークのL値
RSモータ、インバータ回路の動作を理解するには、以下のような説明がいいと思います。
電流波形は、電流の傾きdI/dtが上の式で決まることによりきまる。
(傾きがt0-t1間で正、t1-t2間で負、t0で大きくt1、t2でゼロ)
傾きの変化を追っていくと90度遅れ、正弦波になる。
エネルギ-の収支をみると
t0-t1間は電圧と電流が同方向なので、電源からエネルギーが入ってきて、チョークに蓄積され、蓄積はt1で最大になる。
t1-t2間は電圧と電流が逆方向なので、蓄積されたエネルギーが電源へかえっていきt2で蓄積エネルギーはゼロになる。
収支のエネルギーがゼロで、消費されるエネルギーが無いため力率はゼロになる。
電流の波形がどのようにに決まるかを考えていく事により電流波形が理解できると思います。
SRモータの力率
力率を大きくしないと無駄な励磁電流が必要となります。
力率は突極の正対時のL値と非正対時のL値の比率できまります。
下図はL値と突極の正対の関係図で、このような大きな比率は理想の50%に近いです。
0度で突極は正対、+-30度で非正対 比率 = 15
励磁巻線をギャップから離すと、漏洩磁束が生じ、力率は低下します。
下の様な試作では力率は10%以下でした。
突極に歯型の突極をつけて多極化した場合、多極化でトルクが増加するが、力率が低下し、改善効果が少ないです。