SRモータを離れて、電流波形を制御する例として、電流インバータによるパワーコンディショナー回路を紹介します。
太陽光発電に使用されるパワーコンディショナーは通常、グリッドタイ電圧インバータが用いられています。
電流インバータの知名度は低いと思いますが、電圧インバータに比較して有利な場合があります。
例をあげると、PFC回路(高調波対策回路)は電流型インバータに近い動作です。
ご存知の通り、交流電源よりDC電源に変換するに際して、入力電流の波形を正弦波になるよう電流を制御しています。
入力電力の大小にかかわらず入力電流の波形は正弦波になります。
専用の制御ICがあり、低コスト、高効率です。
この動作を逆向きにしたのが、電流インバータによるパワーコンディショナー回路です。
DC電源より出力電流が正弦波を全波整流した波形になる定電流回路を設けます。
この電流出力をFETで構成したフルブリッジ回路を介して商用電源に回生します。
フルブリッジ回路のFETは電源の方にのみ電流が流れるようにゲート電圧を制御します。
商用電圧がAC100VならDC電圧は160V以上ひつようです。(PFC回路の条件と同一です。)
定電流制御回路の主回路は降圧チョパーで構成し制御回路は前記の制御ICを応用しています。
PFC回路と同様に、低コスト、高効率です。
基本特許は20年以上前に取得しましたが、時期尚早で商品化設計はしませんでした。
ソーラーフロンティアの住宅用 CIS太陽電池モジュールを用いると2枚で179V/350Wになり、2枚で構成できるマイクロ太陽光発電システムになります。
現在、太陽電池モジュール2枚、350Wで試験的に実用試験を行っています。(約3年経過)
尚、詳細説明が必要なら、御連絡をお願いします。
2017 06 02
実用試験品の回路図の主要部分を紹介します。
ゲート制御回路、保護回路は含まれていません。
シンプルな回路ですが、0-350Wまでカバーし、正弦波で逆変換します。
制御回路の電力損は0.5W以下です。
回路効率は95%以上と推定しています。
PFC回路の知識があれば、この回路の動作の理解は可能と思います。
パワーコンディショナを内蔵した太陽電池パネルの商品企画を考えていましたが、実現していません。
2018 09 21
手書きの実用試験品の主要部分回路図を削除しました。
全回路図
要望があれば、部品定数、IC品番、半導体品番を追記します。