EV用ワイヤレス給電の研究開発が進んでいます。
磁界共振技術によるワイヤレス給電技術に基づいて設立されたベンチャー企業が、トヨタ自動車、IHI、新電元工業他多くの企業に技術をライセンス提供しています。
この技術の概要は、IHI技報Vol5.No2(2013)「電気自動車向け非接触充電システムの開発」で報告されています。
ギャップ20cmにおいて3.3KWの電力を電力効率90%以上で充電することが実証されています。
この方式は長ギャップ(20cm)を狙ったものですが、電力効率の改善、軽量、小型化が課題と思います。
ギャップが5mm以下なら従来技術で高効率、軽量、小型、安価、高信頼性でワイヤレス給電が出来ます。
この技報で紹介した電流トランス型DC/DCコンバータ回路 が最適と思います。
EV用ワイヤレス給電の仕様案(ロボットアームによる自動充電)
・電流トランス(Φ80mmx80mm)ギャップ5mm以下
・駆動周波数 500KHz
・出力 3.3KW 165V/20A倍電圧整流
・ロボットアームの先端に電流トランスを設置
・効率 98%以上
・力率 95%以上
・高調波規制 クラスA
・車載機器構成
電流トランスS(Φ80mmx40mm)、直流カットC、整流器、電池情報送信装置
・ロボットアーム装置構成
電流トランスP(Φ80mmx40mm)、定電流インバータ、ロボットアームコントロール装置、電池情報受信装置、充電制御装置
電流トランスを50KHzで設計し、駆動周波数を高くすることにより、ギャップによる励磁電流の増加を防止します。
330V/10Aのワイヤ給電に比較して、このワイヤレス給電の安全性、信頼性は 高いと考えます。