交流整流子モータの制御を調べました。
交流整流子モータは交流と直流で回転し、ユニバーサルモータと呼ばれます。
小型、高出力モータとしてハンドミキサー、電動工具、掃除機等に使用されています。
回転数を制御するには、電圧を変化させます。
1.界磁制御
界磁巻線にタップを設け界磁巻数を変えています。
電機子巻線と直列に接続された界磁巻線の巻数を少なくすると回転が速くなります。
(低速:400T > 350T > 300T > 250T > 200T:高速)
界磁巻線の巻数が減ると、電機子電圧が上昇し、直流抵抗が減少します。
2.位相制御
電気ドリル
トリガ-スイッチ (SPEED CONTROL )、雑防コンデンサ
内部構造 波形(モータ電流、電源電圧、ダイアック印加電圧)
回路
トリガ-スイッチ はスイッチの切替と抵抗値変化の機能を兼ねています。
トリガ-スイッチ を握ると、電源スイッチがオンになると共に、可変抵抗値が小さくなり、SCRの点弧位相が進み、回転が増えていき、最後にSCR両端を短絡して定格運転になります。
SCRに替えて双方向に電流を流せるようにしたTRIACも使われています。
掃除機
速度制御はTRIACを使用した位相制御です。
電源電圧/電流 波形
3.抵抗制御
ミシンモータ
直列に接続した可変抵抗によりモータ電流を変化させ、速度制御を行っています。
損失を伴う古典的な方式ですが、コントローラーは速度を自由に換えることができます。
4.電圧制御
基本特性の確認のため、ハンドミキサーのモータの無負荷特性を測定しました。
直流抵抗=10V/0.3A=33Ω
交流駆動
AC100V 60Hz 入力電流:0.3A 回転数:27000rpm 力率:1
直流駆動
DC12V以下 始動不能
DC15V 入力電流:0.33A 回転数:1500rpm
DC20V 入力電流:0.33A 回転数:3500rpm
DC30V 入力電流:0.33A 回転数:6700rpm
DC40V 入力電流:0.3A 回転数:12000rpm
DC50V 入力電流:0.3A 回転数:15000rpm
DC60V 入力電流:0.3A 回転数:17500rpm
DC70V 入力電流:0.3A 回転数:20000rpm
DC80V 入力電流:0.3A 回転数:23000rpm
DC90V 入力電流:0.3A 回転数:25000rpm
DC100V 入力電流:0.3A 回転数:28000rpm
DC110V 入力電流:0.3A 回転数:30000rpm
5.PWM制御
矩形波電圧での動作を確認しました。
PWMキャリア周波数:3.15KHz
電源電圧:DC100V
電圧制御と同様にスムーズな回転です。
誘導モータの回転数は電源周波数で決まるため、60Hzでは3600rpm(2極)、1800rpm(4 極)ですが、
交流整流子モータの回転数は20000rpm-25000rpmです。
高速回転させると、少ない巻数で大きい速度起電力がえられるため、交流整流子モータの出力は、誘導モータの 3 - 10 倍になります。