haratkhr技報

SRモータ技術研究所

昇圧コンバータ

昇圧コンバータは出力に入力電圧よりも高い電圧が得られます。

広く用いられている非絶縁昇圧コンバータの応用例を紹介します。

 

1.PFC回路

  PFC回路で紹介した高力率の整流平滑回路は、全波整流電圧を入力にした昇圧コンバータで、各種機器の直流電源として用いられています。

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2.LED用定電流回路

 電池で使用するLED照明の昇圧回路として用いられています。

 LED電源例

  入力電圧 2.5V- 24V

 

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3.定電圧/定電流電源

 昇圧コンバータ例

  DC-DC 8.5-48V  to  10-50V  Step-up( 250W)

  出力電流範囲 1~10A

  汎用制御IC(TL494)を使用を使用しています。     

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〇L値= V /di/dt=10V  / (4.4-4.0)A/3μS = 75μH

〇FETがオン時:

 チョ-ク電圧=10V 

 チョ-クに10V x 4.2A x 3μS= 126Jが蓄積されます。

 蓄積エネルギーの増加 =1/2 x(4.4x4.4)-(4x4)x75μH=126μJ

〇FETがオフ時:

 チョ-ク電圧=18V-10V=8V

 電源から出力に10Vx 4.2A x 5μS= 126J供給され、

 蓄積エネルギーより126μJ出力に供給されます。

 

フライバックコンバータはチョークに蓄積されたエネルギーより出力が得られますが、

昇圧コンバータは電源より56%(10V/18V)直接に出力さ、昇圧は44%なので効率は高くなります。

 

関連:オートトランスのサイズを求めるには自己容量を計算します。

   昇圧コンバータに当てはめると、

    自己容量率は44%、定格容量=250Wx0.44=110Wです。

   (フライバックコンバータの自己容量率は100%です。)

 

 

2021-02-18 追記

以下のコメントがありました。

「ほぼ同じ回路構成で、 負荷からの回生電圧でOUT+が上昇しPWMが停止します。この後負荷が電流を引くとOUT+がターゲット電圧に到達してからFB端子が5Vから下がり始めるのでPWM再開までに数十msecかかっており電圧降下を起こし少々困っています。2,3ピンの抵抗値を変えて応答改善することは可能なのでしょうか。

 

情報が不十分なので電圧降下の原因がよく分かりませんが、「2,3ピンの抵抗値、容量値を変えも応答改善」は期待できないと思います。

改善には、電圧降下時の IC1、2,3ピン電圧 と VD と チョーク電流 をシンクロで測定し、電圧降下の動作 を調べることが必要と思います。