高圧直流送電に使用されているMMCを調べました。
高圧直流送電は、大容量で長距離の送電に適した方式として世界中で実用化されています。
数十万V級の高電圧かつ大容量の交直変換器には、単位変換器の多直列で高電圧に対応した自励式MMCが主流になっています。
2LC ( 2レベルコンバータ )
三相ブリッジ正弦波PWMインバータ回路です。
高耐圧化のためにIGBTを多直列に接続し、単一のIGBTとして動作します。
各アームのハイサイドとロウサイドのIGBTは、PWM変調回路の駆動信号で一方がオン他方がオフしています。
正弦波成分の矩形波形を生成しますが、高調波フィルターが必須です。
PWM搬送波の周波数を高くすると、フイルターは小型化できますがスイッチングロスが増大します。
MMC ( モジュラーマルチレベルコンバータ )
単位変換器のPWM搬送波位相をずらす位相シフト制御により、高調波成分を低減させています。
複数のPWM変調回路を設け、単位変換器(チョッパーセル)のHブリッジインバータで、コンデンサー電圧を電源として、正弦波成分の矩形波形を生成しています。
MMC 例
直列に繋がった3チョッパセルの直流電圧指令値は同位相 同電圧です。
PWM搬送波は位相差を設け、矩形波のPWM出力波形が重ならないようにして、合算電圧の高調波成分を低減させています。
シュミレーションで合算電圧を確認しました。
DCLMP(ダイオードクランプ)
MMCの単位変換器
関連:
一般に、多直列接続により高耐電圧を得る場合、各素子の印加電圧を均等にするためにスナバ回路を使用します。
スナバ回路の抵抗を半導体スイッチで置き換え電力損を低減した回路が、アクティブクランプセルです。 ( アクティブクランプ回路 で紹介しています。)
MMCのコンデンサの充電経路、充電電圧が分かる様に、アクティブクランプセルの多直列接続との見方からも検討しています。
( 尚、ハーフブリッジチョッパセルとアクティブクランプセルは同一回路で動作も同一です。)