HEV用 Range Extender は、HEVのEV走行距離を延長します。
HEVに HEV用 Range Extender を搭載するとPHEVになります。
PHEVは、ガソリン車と同等の走行性能を持ち、燃費を大きく改善できますが、HEVに比べるとかなり割高であまり普及していません。
この技報では、リン酸 鉄リチウム電池を使用した a-PHEV をHEV用 Range Extenderとして検討しています。
検討案の現状
・昇圧電流コンバータ
同期整流フルブリッジインバータと降圧チョッパー回路で構成します。
(同期整流の半分をダイオードに変更し放電防止に変更しています。)
効率96%以上 価格5万円以下
AC48V/AC300Vの高周波トランスの開発が課題でしたが、新構造で小型高効率の設計の目途が立っています。
・電池
低電圧で高容量のリン酸鉄リチウム電池は実績のある 電動ゴルフカート用 を検討しています。
51V 105Ah 5.3KWh 43.2Kg
充電器も用意されています。
・制御方法
HEVの制御装置から独立して、HEV用 Range Extender をHEVの主電池の充電器として動作させます。
(例えば、HEVの主電池の充電状態が65%以下になると、70%になるまで充電します。)
コンバータの出力電圧をHEVの主電池電圧に対応してトランスを設定すれば、この制御方法で各社のHEVに対応できると推定しています。
a- PHEVの概要
・ガソリンのみでの走行も可能で、EVの弱点でもある航続距離の問題をクリアしています。
・通勤、子どもの送迎や日々の買い物などであれば、ほとんどをEV走行でまかなえます。(EV走行距離は、約40Kmになります。)
・充電の手間がかかりますが、充電設備は容易です。
・重量増はHEVに比べて約50kgです。
全固体電池の課題は「寿命の短さ」との記事もあります。
安全性が高く低電圧のリン酸鉄リチウム電池は搭載が比較的容易で、ガソリン価格がもう少し高くなれば a- PHEV が普及すると考えています。