パワーコンディショナーを内蔵した太陽光パネルの企画を紹介します。
約25年前よりマイクロパワーコンディショナー を検討しています。
パワーコンディショナーを内蔵した太陽光パネルの商品化を目指し、採算が合う商品化時期を探っています。
この商品には、出力電圧が高い(約160-180V)太陽光パネルが必要ですが、現在その様な太陽光パネルが無いので、2台の太陽光パネルを使用して実用試験を実施しています。
商品化の際には、ソーラーフロンティアに特注CIS薄膜太陽電池の開発依頼を考えていましたが、予期せぬ発表がありました。
この機会に企画を公表し、ベンチャー企業やスタートアップ企業に期待することにしました。
太陽光パネル(パワーコンディショナー内蔵)の企画
概要
太陽電池の直流出力を交流に変換するマイクロパワーコンディショナーを開発するとともに、このパワーコンディショナーを太陽電池パネルに1個づつ取り付け、汚れや日陰の影響で出力がバラついても、多数パネルで最大の出力が得られます。
約20年前の企画書です。
パワーコンディショナー回路図
詳細はパワーコンディショナー回路 を参照してください。
防水仕様のパワーコンディショナーの工場出荷価格は約3000円になると推定しています。
パネル構造
太陽光パネルに、配線スペースを設けパワーコンディショナー送り配線と電源端子を配置します。
(速結式電源端子を使用した送り配線で、接続の省力化と配線のコスト低減を計っています。)
パネル構成例
パワーコンディショナー内蔵太陽光パネル10枚をVVF2心x1.6mmを用いて送り配線し、20Aの安全ブレーカーを介して商用100V電源に接続します。
AC100V/18A/1.8KWを2組用いてAC200V/3.6KWの太陽光発電システムを構成しています。
特注CIS薄膜太陽電池仕様案
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出光興産は100%子会社であるソーラーフロンティアが宮崎県の国富工場で行っているCIS薄膜太陽電池の生産を、2022年6月末を目途に終了し、太陽電池生産から徹底すると発表した。
ソーラーフロンティアは、市場で主流のシリコン結晶太陽電池とは異なる、CIS薄膜太陽電池の製造販売を事業の中核としていた。
発電層に銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)という3つの元素を主に用いる太陽電池で、シリコンと比較して光を吸収する能力が高いため、発電層の厚さを約100分の1程度にできる特徴がある。
しかし、中国企業などが安価な太陽電池で市場シェアを広げる中、経営状況が悪化。
CIS薄膜太陽電池の研究開発は、出光興産次世代技術研究所に集約する。
その上で、CISの「高放射線耐性」という優位性を生かせる宇宙空間用途、電動自動車や通信用ドローンといった移動体への搭載が期待されるタンデム型太陽電池への活用を模索するとしている。
太陽光パネルの価格が下がり、環境対策の為に太陽光発電が本格的に必要な時期での撤退は残念です。
従来の太陽電池パネル生産からの徹底はやむを得ないと思いますが、パワーコンディショナーを内蔵した太陽光パネルの検討が行われることを期待しています。
CIS薄膜太陽電池の特徴を生かせば、シリコン結晶太陽電池にコストと性能で勝てると考えています。