現在、発売されているPHVは生産数が少なく、補助金頼りの販売戦略と思います。
PHVがEVと対抗するには、生産数量の大幅増と徹底したコストダウンが必要です。
現在の電池は高価格で重く、EVの約1/5(1/10)の容量の電池を使用するPHVは、EVより価格と車体重量の面で有利です。
レンジエクステンダーとは、EVの航続距離延長を目的に搭載される、小型発電機からなるシステムです。
この技報が提案するHVレンジエクステンダーとは、HVの航続距離延長を目的に搭載される、サブ電池と昇圧充電コンバータからなるシステムです。
HVの電池をHVレンジエクステンダーで充電し航続距離を延長します。
HVレンジエクステンダーは、スマートフォンのモバイルバッテリーと同様の関係で、HVにHVレンジエクステンダーを搭載するとスマートEV(PHV)になります。
案 例 1
プリウスG(ハイブリッド)320万円をベースに、リン酸鉄リチウムイオン電池によるHV用レンジエクステンダーの搭載により航続距離を100Km(50Km)延長する、350万円台(340万円台)のPHVを実現する。
案 例 2
Fit(e:HEV)217.58万円をベースに、リン酸鉄リチウムイオン電池によるHV用レンジエクステンダーの搭載により航続距離を100Km(50Km)延長する、250万円台(240万円台)のPHVを実現する。
HVレンジエクステンダーの概要
回路方式:サブ電池よりHVの主電池を一定電圧まで定電流充電
サブ電池:リン酸鉄リチウムイオン電池 24V400A 9.6KWh 又は 48V200A 9.6KWh(24V200A 4.8KWh 又は 48V100A 4.8KWh)
電池重量:80Kg(40Kg)
昇圧充電コンバータ:FBフォワードコンバータ
電池寿命までの航続距離:40万Km[4000回 X 100Km](20万Km[4000回 X 50Km])
充電時間:5時間[0.2C充電/2KW X 5時間]([0.2C充電/1KW X 5時間])
車体重量はでEVより200Kg(240Kg)軽量になります。
HVレンジエクステンダーのコスト推定
市販リン酸鉄リチウムイオン電池(BMS付24V100A X 4)の価格は約40万円(20万円)ですが、専用設計で大量購入すれば、20万円(10万円)台が見込めます。
昇圧充電コンバータは5万円以下、充電機器5万円以下とすると、HV用レンジエクステンダーは30万円(20万円)台が可能となります。
寿命と安全性の点より電池は三元系リチウムイオン電池でなく、リン酸鉄リチウムイオン電池が必須です。
HVレンジエクステンダーはシンプルなので、ベンチャー企業でも開発は可能ですが、サブ電池の配置と総合評価は車メーカーしか出来ないと思います。
スマートEVは毎日の自宅での充電が手間ですが、再生可能エネルギーで100Km(50Km)航続でき、車両重量が軽いため走行に必要なエネルギーが少なく環境性能が優れています。