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haratkhr技報

SRモータ技術研究所

多極化の巻線法

三相交流発電機のシンプルな巻線法を電機設計の教科書より抜粋します。

 単層巻線、二段巻線でq=3、三相、4極の巻線の場合は36溝となりますす。

U,V,Wを端子とし、X,Y,Zを短絡して中性点とするとスター結線が得られます。

電流の方向と磁束の方向を書いてみました。

トルクを発生させる2次電流と直交磁束の関係が分かります。

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二相16極の巻線法

二相4極モータより単純計算すると16X(16/4)=64溝になりますが、三相、4極の巻線を参考にして、溝数が最小になる巻線法を推定しています。

 

q=1、二相16極の巻線の場合は32溝となります。

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q=2、二相16極の巻線の場合は64溝となります。

 

フェライトコアを組み合わせて、動作確認の試作方法を考えています。

 

駆動周波数は250倍(15kHz/60Hz=250)で、フェライトの飽和磁束密度が低いので、磁束密度を約1/4に下げる必要がありますが、それでも巻数は1/50以下にになります。

New誘導モータの課題

高周波で誘導モータを駆動することは新しいことでなく、従来より検討されてきたと思います。

製品化されている商品もあるはずですが、広く普及していません。

ブレークスルーしなければならない課題があると推定しています。

 

模擬開発 の「単相誘導モータの新始動方式の開発」はその様な課題は無く、短時間で開発可能と予想して、ゼロから始めました。

予想外の問題は無かったのですが、意外な事柄はありました。

 

New誘導モータの検討は長時間が必要で、実現不可の結論になる可能性もありますが、ブレークスルーする課題を見つけ、乗り越えていく様なテーマと考えています。

 

やってみないと分からない事がたくさんあります。

やってみなると意外と簡単な事もあります。

 可能性に気付いたら、やってみるしかありません。

New誘導モータの可能性

NewSRモータは誘導モータを改造して回転することを確認しました。

New誘導モータは机上構想で可能性を見出した段階です。

 

高周波駆動とフェライトコアの採用により、トランスの小型化、効率の改善をはかり、単相駆動と多極化で回転数を軸受けの限界まで低下させることを考えました。

11万rpmは模型のジェットエンジン、掃除機での実績を根拠にしました。

自転車のハブダイナモは大幅な多極化(32極)でタイヤの1回転を高速回転と同等にしています。

 

機械精度と特殊な軸受けを作成しないと、11万rpmは試験できないと考えていますが、始動トルクが得られた段階で計画します。

始動トルクの検討には機械精度は必要が無いため、始動トルクの検討をすれば、可能性の判断は出来ると思っています。

多極化の検討から始めたいと思っています。

 

誘導モータの弱点

 1.誘導モータは電機子電流を変圧器の2次電流としているため、銅損が増えます。

固定子の1次巻線と、カゴ型ローターの1ターンの2次巻線で変圧器を構成しています。

直流モータ、同期モータと比較すると、必要なVAは2倍になります。

 2.回転数に対応して交流励磁をするため、回転数を上げると鉄損が大きい。

直流モータ、同期モータは定常励磁のため回転数を上げても励磁の損失は増加しないが、誘導モータの場合、回転数を上げてると鉄損が増加する。

 3.回転数が低い。

ユニバーサルモータの定格回転数は、通常約20000rpmに設定されますが、誘導モータは商用周波数駆動のため、通常4極1800/1500rpmになります。

回転数が低いと速度起電力が低くなるため、同一トルクを得るには電流を増やす必要があり、銅損が増加します。

 

New誘導モータは、高周波駆動とフェライトコアの採用により3つの弱点を解消します。

 

New誘導モータの概要(検討中)

・2相カゴ型ローター誘導モータ

フェライト鉄心

・高周波定電流インバータ駆動

・インバータ始動式

・多極化による低回転数化(15Khz/16極/11万rpm)

リッツ線使用カゴ型ローター

リッツ線使用固定子巻線

 

珪素鋼板の商用電源トランスでは小型、高出力、高効率は望めません。

直流電源は高周波トランスの使用のスィッチング電源になっています。

商用誘導モータのインバータ始動式の検討結果を高周波誘導モータに応用します。

磁束密度は低くなりますが、巻数が少なくなるため、効率が低下する要因は無いと推定しています。

単相誘導モータの速度制御

扇風機のモータにはコンデンサ始動式単相誘導モータがつかわれ、回転速度を変えています。

強風 無負荷 1700rpm(羽無し)

強風 1280rpm

中風 900rpm

弱風 680rpm

風を変え、巻線電圧、コンデンサ電圧を測定してみました。

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回転速度を制御していると言うより、トルクとファン抗力とのバランスで回転数が決まっているように思います。

巻線の抵抗値が大きく、巻線電圧を低下させトルクを落としている様です。

 最近のDCモータの扇風機の入力電力はACモータの約1/3のため、ACモータの効率は30%以下と思います。

単相誘導モータのコンデンサ 始動式

コンデンサ始動式の場合、S巻線電圧が始動時と定格回転時とで異なります。

カゴ型ローターの抵抗値が巻線と並列に入り、速度起電力が巻線に発生するためベクトル図は難解ですが、単純に電圧の三角形を描くと下図になります。

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1.コンデンサを常時接続する場合

S巻線の磁束密度を定格回転時の電圧で飽和磁束密度近くに設定すると、始動時S巻線の磁束密度が低くなるため始動トルクが小さくなります。

S巻線の磁束密度を始動時の電圧で飽和磁束密度近くに設定すると、定格回転時は電圧が高くなり飽和の問題が生じます。

従って巻線の効率が悪くロスが大きくなる。

コンデンサの電流で力率は改善される。

 

 2.遠心スイッチを使う場合

S巻線の磁束密度を始動時の電圧で飽和磁束密度近くに設定すると、始動時S巻線の磁束密度が高くなるため始動トルクが大きくなります。

定格回転時は電圧が高くなり飽和の問題が生じるため遠心スイッチでコンデンサを切り離す必要があります。

2組の励磁電流が必要なため力率は低く、改善には別にコンデンサを設置する必要がある。

 

小出力モータはコンデンサを常時接続、中出力以上は遠心スイッチ式になっている理由と推定します。

 

インバータ始動式は遠心スイッチを使うコンデンサ始動式に近く、電圧を可変できる点が異なります。

インバータ始動式

引き続き検討していました、単相誘導モータ インバータ始動式のの基本設計及び基本動作確認が完了しました。

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この回路図は構成を示す概念図です。

60Hz、50Hz共用です。

定格回転数になると励磁電圧が上昇するの検出しインバータを自動停止します。(遠心スイッチと同等の機能です。)

負荷が大きく、滑りが多くなりすぎた場合、励磁電圧が低下しトルクが低下するのを防ぐため、インバータが再動作し励磁電圧を定電圧制御しトルクを維持します。(新機能です。)

カゴ型ローターの抵抗値が大きい場合、滑りが多くなると、励磁電圧が低下します。誘導モータの性能にこの抵抗値が大きく影響していると感じました。

 

このアナログ回路の制御方式、及びインバータ始動式のメリットが引き出せる追加機能をソフト仕様書にまとめ、マイコンのプログラム開発を行いデジタル化します。

 ユニークな機能があればいいのですが、出来る事は始動巻線の励磁電圧の制御のみです。

 コンデンサ始動式の弱点を克服する機能を考えています。

 

モータの理解を深める教材として検討しています。

SRモータの弱点

1.力率が低い

力率が低いとインバータ駆動の半導体スイッチの電流が大きくなり、オンロスが増えます。

 

2.巻線の稼働率が低い

標準の6/4突極3相SRモータの場合、働いているいる巻線は1/3のにで、2/3の巻線は休んでいます。

DCモータは全巻線が常に働いています。

この稼働率が低いのが最大の弱点で、トルク/体積比が低い主原因と思います。

 

3.励磁エネルギーの回生

誘導モータとSRモータは励磁エネルギーを電源と出し入れしています。

トルクを得るため励磁して、不要になったら回生しなければならない仕組みは不利です。

 

4.SRモータの騒音

励磁エネルギーの蓄積、回生を行うことにより、回転子と固定子の吸引力が変化することによりSRモータ特有の騒音が発生する。

 

NewSRモータは、永久磁石又は、電磁石による常時励磁と交流駆動により4つの弱点を解消します。

 

出願した特許が登録になる可能性は少ないと考えています。

現在普及はしていませんが、当然あるべき内容の出願です。

全く勘違いしているか、どこかに公知例があると予想しています。

 通常の出願では、公知例が出てくる事を予想して、多数の請求項を設け、狭い権利範囲でも登録になること狙いますが、今回は請求項は1つにしました。

ビジネスはほとんど考えていません。

 

1年以内に国際出願するか否かの判断が必要ですが、費用が10万円以上かかるので躊躇しています。

 

 

 

模擬開発完了

主電源DC140V(330μF)、IPD制御電源DC18V、制御回路、ハイサイドドライバー回路、FETブリッジ回路を作成し、動作確認用試作品は完成しました。

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完成後、抵抗負荷で出力試験を行いました。

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動作確認後、モータを接続し始動試験を行いました。

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無事、十分なトルクが得られ始動しました。

始動時のS巻線への出力電圧はコンデンサ始動方式(90V0pの正弦波)より大きく(140V矩形波)出来るため、理論上の始動最大トルクは大きくなります。

回路動作は安定で、インバータの損失はほとんどありません。

定格回転数になると自動的に電流が低下し、動作を続けても不具合はありませんが、騒音は大きくなります。

波形は想定と差異がありますが、後日の検討とします。

励磁電流波形は直接測定できませんが、電源電圧と同相の台形波電流が得られていると推定しています。

専用モータを作成し、PPインバータ、マイコン制御にすると商品化出来る用途があると感じました。

模擬開発の目的は設計者教育に付け加えて、この技報の単相誘導モーターの原理の再確認でした。

 

結論

単相誘導モータの始動トルクは電流と直交磁束の関係で発生しており、回転磁界と滑りで始動トルクを説明するのは不適切である。

 

引き続き検討しますが、模擬開発はこれで完了とします。

 

インバータ始動方式の総合評価は、後日、時間をかけたいと思っています。

 尚、詳細が必要なら、御連絡をお願いします。

 

回路シュミレーション

前回設定した目標に合致する出力が得られる様に、検討を繰り返し以下の結果になりました。

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再度の確認は必要ですが、基本回路は完成です。

電源電圧と同相の台形波励磁電流が得られています。

回路図はこのシュミレータの仕様にあわせてカスタマイズしているため、理解は困難と思います。

 

定格回転時にインバータが動作した場合のシュミレーションが必要ですが、後日の検討とします。