haratkhr技報

SRモータ技術研究所

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

誘導モータの強み

全てのモータは、電流を流す巻線を選択する機構を持っています。 直流モータは整流子、同期モータ、SRモータは位置検出器と半導体駆動回路で巻線を選択しています。 誘導モータには巻線を選択する機構が無いようにみえますが、トランスの2次巻線として、電…

カゴ型ローター

カゴ型ローターの鉄心は珪素鋼板にします。 フェライトにしないのは、回転子には鉄損失がほとんどないとされているからです。 又、珪素鋼板でないと高速回転に耐えられません。 回転子の鉄心には滑り周波数が印加されます。 駆動周波数は15kHzですが滑り…

多極化の巻線法

三相交流発電機のシンプルな巻線法を電機設計の教科書より抜粋します。 単層巻線、二段巻線でq=3、三相、4極の巻線の場合は36溝となりますす。 U,V,Wを端子とし、X,Y,Zを短絡して中性点とするとスター結線が得られます。 電流の方向と磁束の方向…

New誘導モータの課題

高周波で誘導モータを駆動することは新しいことでなく、従来より検討されてきたと思います。 製品化されている商品もあるはずですが、広く普及していません。 ブレークスルーしなければならない課題があると推定しています。 模擬開発 の「単相誘導モータの…

New誘導モータの可能性

NewSRモータは誘導モータを改造して回転することを確認しました。 New誘導モータは机上構想で可能性を見出した段階です。 高周波駆動とフェライトコアの採用により、トランスの小型化、効率の改善をはかり、単相駆動と多極化で回転数を軸受けの限界まで低下…

誘導モータの弱点

1.誘導モータは電機子電流を変圧器の2次電流としているため、銅損が増えます。 固定子の1次巻線と、カゴ型ローターの1ターンの2次巻線で変圧器を構成しています。 直流モータ、同期モータと比較すると、必要なVAは2倍になります。 2.回転数に対応して交流…

単相誘導モータの速度制御

扇風機のモータにはコンデンサ始動式単相誘導モータがつかわれ、回転速度を変えています。 強風 無負荷 1700rpm(羽無し) 強風 1280rpm 中風 900rpm 弱風 680rpm 風を変え、巻線電圧、コンデンサ電圧を測定してみました。 回転速度を制御してい…

単相誘導モータのコンデンサ 始動式

コンデンサ始動式の場合、S巻線電圧が始動時と定格回転時とで異なります。 カゴ型ローターの抵抗値が巻線と並列に入り、速度起電力が巻線に発生するためベクトル図は難解ですが、単純に電圧の三角形を描くと下図になります。 1.コンデンサを常時接続する場…

インバータ始動式

引き続き検討していました、単相誘導モータ インバータ始動式のの基本設計及び基本動作確認が完了しました。 この回路図は構成を示す概念図です。 60Hz、50Hz共用です。 定格回転数になると励磁電圧が上昇するの検出しインバータを自動停止します。(遠心…

SRモータの弱点

1.力率が低い 力率が低いとインバータ駆動の半導体スイッチの電流が大きくなり、オンロスが増えます。 2.巻線の稼働率が低い 標準の6/4突極3相SRモータの場合、働いているいる巻線は1/3のにで、2/3の巻線は休んでいます。 DCモータは全巻線が常に働い…

模擬開発完了

主電源DC140V(330μF)、IPD制御電源DC18V、制御回路、ハイサイドドライバー回路、FETブリッジ回路を作成し、動作確認用試作品は完成しました。 完成後、抵抗負荷で出力試験を行いました。 動作確認後、モータを接続し始動試験を行いました。 …

回路シュミレーション

前回設定した目標に合致する出力が得られる様に、検討を繰り返し以下の結果になりました。 再度の確認は必要ですが、基本回路は完成です。 電源電圧と同相の台形波励磁電流が得られています。 回路図はこのシュミレータの仕様にあわせてカスタマイズしている…

主回路の設計

主回路はHB回路かPP回路になります。 S巻線の中間点に接続点を設けるPP回路にしたいですが、今回使用するモータの巻線をチェックしたところ無理と判断しました。 主回路はHB回路でハイサイドドライバーでの駆動になります。 電源の谷部で電流を流さ…

測定値の検証

シュミレーションにより、モータの特性測定値の検証を行う。 ほぼ一致している事を確認しました。 今後シュミレーションによりインバータ式の駆動方式の検討、回路設計を進めていきます。 設計ポイント 動作原理の視点を変えて、回転磁界を作ることは、全く…

モータの特性測定

開発の基礎データの収集を行います。 回転数測定 1750rpm(60Hz) -> 4極単相コンデンサモータです。 直流抵抗測定 34Ω(M巻線) 34Ω(S巻線) 巻線インダクタンス:ロータ巻線で短絡状態のためは測定不能。 電圧、電流、波形の測定 回路図 1.停止時…

模擬開発

はじめにに書きましたが、この技報はNewSRモータの設計者教育として始めました。 研究、開発とはどの様に行われるのかを紹介するため、模擬開発を行います。 開発テーマは「単相誘導モータの新始動方式の開発」にします。 商品化されている方式に追加し…

モータの原理と効率

誘導モーターの原理を見直してきましたが、最後に、直流モータとスイッチトリラクタンスモータの動作を、先日、出願したスイッチトリラクタンスモータの明細書で説明します。 【発明を実施するための形態】の抜粋 【0024】 従来の直流モータの巻線の構成…

アラゴの円盤

一般に、アラゴの円板から誘導モータの動作が説明されます。 “アラゴの円板”は磁石を銅製の円板に接近させ、磁石を回転させると銅円板も回転する現象です。 銅円板には“電磁誘導の法則”および“レンツの法則”にしたがって発生した渦電流が流れ、“フレミングの…

同期モータ

同期モータの動作は一般に「回転磁界」で説明されています。 磁界の中に互いに反対の磁極が向きあうように磁石をおいて、外側の界磁のほうを回転させれば、吸引力によって、中の磁石も回転磁界の速さと同じ速さで回転します。 磁石は電磁石または永久磁石P…

三相誘導モータ

三相誘導モータの動作は一般に「回転磁界と滑り」で説明されます。 三相誘導モータの固定子は各相の巻線が電気角で2π/3ずつずらして巻線され、一次に流れる三相の励磁電流によって固定子の中を一定速度で回転する回転磁界を生ずる。 二次側の回転子はこの回…

積算電力計

積算電力計の回転円板の駆動トルクは、渦電流と磁束との関係で説明されるのが、一般的になっています。 移動磁束での説明は少なくなっています。 回転円板の駆動トルクは、電流磁束による渦電流と電圧磁束との間のトルクと、電圧磁束による渦電流と電流磁束…

ファン用くま取りコイルモータ

2017 08 18 AC100V用にはくま取りコイル単相誘導モーターが使われます。 低電圧DC用にはブラシレスモータが使用されますが、DC140V用のブラシレスモータは巻数が多く巻線が難しく、駆動素子の高耐圧化でコストUPになり、くま取りコイル単相誘導モ…

くま取りコイル単相誘導モーター

くま取りコイル単相誘導モーターの解説は、一般的に以下の様になっています。 固定子磁極の一部に溝をつくり、これに短絡銅帯(くま取りコイル)を設る。 くま取りコイルがある部分の磁束は端絡環に短絡電流が流れるので、位相がコイルがない部分の磁束より…

コンデンサ始動単相誘導モーター

コンデンサ始動単相誘導モーターの解説は、一般的に以下の様になっています。 主巻線と始動巻線を直角方向に配列し、始動巻線にコンデンサを接続すると、各巻線の電流は90°の位相差のある交流となり、主巻線の磁束と始動巻線の磁束の合成磁束は一定の値で反…

分相始動単相誘導モーター

分相始動単相誘導モーターの解説は、一般的に以下の様になっています。 主巻線とそれに直角に補助巻線を設け、補助巻線電流位相を主巻線電流に対し進み位相とする事で始動トルクを得る、始動トルクが小さい方式であり、巻線の抵抗の損失を無くす為、始動後に…

単相誘導モーターの原理

この技報の単相誘導モーターの概要、原理は以下のとおりとです。 相誘導モーターのローターはかご型ローターを使用しています。 単相誘導モーターは主巻線のみでトルクが発生し、定格回転できます。 一度回転させると、回転方向が決まるが、両方向に回転でき…

単相誘導モーターの技術解説

単相誘導モーターの原理は、一般的に以下の様になっています。 主巻線と始動巻線を直角方向に配列し、始動巻線にコンデンサを接続すると、各巻線の電流は90°の位相差のある交流となり、主巻線の磁束と始動巻線の磁束の合成磁束は一定の値で反時計回りに回転…