haratkhr技報

SRモータ技術研究所

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

用途指向形モータ

用途指向形モータの一例として、ハイブリッド油圧ショベル(建設機械)があります。 エンジン出力は100KW以上の大出力機器です。 旋回ブレーキ時の運動エネルギーを回収するにより大幅な燃費低減を達成しています。 発電機モータには優れた耐熱性、空転時…

SRモータの特性

電気学会論文誌Dに掲載された、論文があります。(電学論D,123巻2号,2003年) 固定子突極構造ハイブリッド形スイッチトリラクタンスモータの特性 この中で、通常のVR形SRMの特性も記載されています。 SRモータの実力が把握できる資料と思います。 仕…

B-H曲線について

SRモータの検討を始めた時、インターネット上の文献を集めました。 同じようなB-H曲線が多数掲載されていました。 その一例として、 著名な研究者の資料の中に、電流-磁束鎖交数の図に緑色のループと電流波形が掲載されていました。 下図は、その図の…

インダクタンス

インダクタンスの求め方を紹介します。 L=V / dI/dtの関係があります。 波形よりV 、 dI/dtを求め計算しL値を求めます。 チョーク電圧と電流検出抵抗の電圧をCRで微分した電圧を比較することによりインダクタンスの直線性(V ーdI/dt特性)が分…

B-I曲線 (B-H曲線)

通常、インダクタンスの測定は,以下の回路で商用電源より電流を流し、V Iより計算でLを求め、機械角-インダクタンス図が作成されます。 しかし、この図では鉄心の飽和によるインダクタンスの変化のデータが入っていません。 飽和特性の把握は重要です。 …

新B-H曲線  3

ギャップ部は新しいB-H曲線ではありませんが、巻線の鉄心部は新しいB-H曲線にです。 ギャップ部は従来と同一の黒色のB-H曲線です。 ギャップ部の磁束は巻線部の磁束と永久磁石の磁束が加算されます。 巻線の鉄心部は-bの逆方向にバイアスされた赤…

新B-H曲線  2-2

引き続き、SRGを考えてみました。 o ー>b->a->o のループになります。 ギャップ長が短いo ー>b間で励磁しエネルギーを蓄積します。 ギャップ長が広がるb->a間は励磁巻き線両端を短絡し機械エネルギーを加え励磁エネルギーを蓄積します。 ギャップ…

新B-H曲線  2-1

SRモータの基本から離れて、励磁エネルギーの回生が無いB-H曲線 のSRモータを考えてみました。 ギャプ寸法をスコッチ・ヨーク機構で直線的に変化させます。 o ー>a->b->o のループになります。 ギャップ長が長いo ー>a間で励磁しエネルギーを蓄…

新B-H曲線 1

トルク、励磁電流、力率等がどうなるかわかりませんが、B-H曲線を右図の様に曲げる手段はあります。 どんな動作になるか、頭の中で考えています。 特性の改善につながる可能性はゼロでないと思っています。 このBlogでは、概要紹介が主で詳細を記載してい…

SRB

SRモータ、SRGは励磁エネルギーを介して、電気エネルギーと機械エネルギーを交換しています。 エネルギーの交換装置をSRB(スィチドリラクタンスボックス)と名づけて、エネルギーの流れを説明します。 電磁エネルギーは左から右へ、機械エネルギー…

SRG(HB回路)

SRモータを力行、制動、発電回生、逆転動作をさせる場合は、HB回路を使用します。 電流を流す区間(インダクタンスの増加区間、減少区間)と電流値により、トルクの値と方向が変化します。 HB回路の二つのスイッチのオン、オフを制御することにより、…

SRG(SRC回路)

SRモータを励磁し外力を加えて回転させると、SRG(SR発電機)になります。 発電機の場合、励磁エネルギーを電源へ回生する必要が無いため、スイッチが一つのSRC回路と呼ばれる回路がよく用いられます。 励磁電源よりエネルギーをSRGに加えて励…

SRモータの設計データ

SRモータについて考えてきましたが、SRモータの実力がどの程度なのかよく分かりません。 文献、資料を探しても設計データが揃っている例は見つかりませんでした。 SRモータの汎用品はありませんし、SRモータを使用した市販の機器もありません。 唯一、S…

機械出力の検証

標準的な設計で、小出力より大出力までシリーズで製作された中から、一機種の機械出力 を机上検証しました。 メーカーよりの公表は出力とトルクのみでその他はユーザーの計測値です。 SRモータ仕様 4相 固定子8極 回転子6極 励磁回数/回転=8極x6極/2=2…

機械出力

実機の機械出力の測定は計測設備が必要です。 計算では、機械出力は、平均トルクと2πと回転数/秒の積で求められます。 トルクの瞬時値は回転角度の変化に対する、励磁エネルギーの変化量でもとめられますが、変動、休止区間、励磁巻線の重複があり複雑です…

低周波チョークの励磁曲線

鉄心の飽和領域の実例として、低周波チョーク(安定器)の励磁曲線を紹介します。 定格時は直線で、最大負荷時は少し曲がっています。 定格時は特性、損失より不飽和領域で動作し、短絡時は電流が温度規格の上限を超えない飽和領域近傍に設定しています。 鉄…

励磁エネルギーと機械出力

SRモータは、回転子が非正対位置から正対位置まで移行する間に、励磁エネルギーを増加させながら、機械出力を得ています。 すなわち、電源から電流により励磁エネルギーを供給しその一部が機械出力になっています。 電流を一定にすると、励磁エネルギーの…

整流子

DCモータ、ユバーサルモータは整流子で制御されています。 低コストで、位置検出と駆動回路を構成しています。 メンテが必要で寿命が短いと否定的にとらえられていると思いますが、15000~20000rpmの回転数が得られ、耐ノイズ性、分解能、信頼性は高いと思…

可変リラクタンス型レゾルバ

ハイブリッド車のモータの位置検出センサーとして、高精度、長寿命、高い耐環境性の性能をもつ可変リラクタンス型レゾルバ(VR型レゾルバ)が使用されています。 回転子と固定子間のギャップを回転につれて変化する様にすると、トランスの一次P,二次S間…

磁束の机上考察

励磁曲線と突極の磁束を机上考察しました。 飽和直前まで励磁電流を大きくした時の磁束を考えました。 回転子を非正対のOよりD、C、B、正対のAに移動させました。 突極中の磁束量の変化が均等と考えると、磁束は下のようになります。 回転子の移動に伴い…

飽和領域の励磁曲線

多数の海外文献と再確認 のなかで 「飽和領域では励磁曲線は平行です、励磁曲線の傾きはL値であり、平行であれば、このなかを変移してもL値の変化がないため力は発生せず、励磁エネルギーが変化するのみです。 励磁曲線内の変移によるループの面積は、励磁…

同期整流回路

SRモータの励磁電流は力率が低いため大きくなります。電源電圧が低いと電流はさらに大きくなります。 下記の変形HB回路の場合で、PWM制御をすると、D1の電圧による損失が問題になります。 例えば20A流すとD1の損失は、20AX1V=20Wになります。 …

逆変換回路

逆変換回路はあまり知られていない回路ですが、直流送電、周波数変換等、電力の基幹技術です。 大電力が変換できます。 回路はサイリスタを用いた、電流インバータです。 サイリスタの点弧角をπ/2以上に制御します。 サイリスタの転流のため無効電力が必要…

トランスの励磁突入電流

商用トランスの励磁電流は、定格入力電流の1/10以下ですが、 商用電源に接続する時の電源の位相により、定格入力電流の10倍以上の励磁突入電流が流れることがあります。 商用トランスの基礎事項で説明しているBmは、通常時の最大磁束密度ですが、電源接…

電気機器の寸法と容量

coffee break です。 電気機器の各部分の寸法を2倍にすると容量が何倍になるかの考察。 導線断面積4倍->電流4倍 磁路断面積4倍->磁束4倍->誘起電圧4倍->電圧4倍 電流4倍 X 電圧4倍 = 容量16倍 各部の容積8倍->単位容量/所要材料=1/2倍 重量8倍…

磁気回路の予備検討

力率を改善するには、正対時のL値と非正対時のL値の比を大きくする必要があります。 磁気回路の予備検討として、EI、UIコアを用いてL値を測定してみました。 Ri:正対時のL値(Lv+Lc)/非正対時のL値(Lc) Ⅰ.EIコア Iコアを回転子の突極、Eコアを固定子…

力率の目標

モータの力率が低いと電流が増え銅損が大きくなります。 インバータ駆動のモータでは、半導体での損失も問題になります。 ユニバーサルモータの力率は100%に近いと思います。 IM、IPSMの力率は良く知りませんが80%-90%はあると思います。 文献に記…

SRモータの設計法

設計は要求仕様に合うよう、多数の事柄をきめます。 ポイントをおさえて、一つ一つ決めていく手順のマニュアル化は重要です。 チョークの設計法 同じ電磁機器であるチョークの設計法を説明します。 要求仕様は一般に、周波数特性と定格(三種類)と損失です…