haratkhr技報

SRモータ技術研究所

機械出力の検証

標準的な設計で、小出力より大出力までシリーズで製作された中から、一機種の機械出力 を机上検証しました。

メーカーよりの公表は出力とトルクのみでその他はユーザーの計測値です。

 

SRモータ仕様  4相 固定子8極 回転子6極

励磁回数/回転=8極x6極/2=24回

1相の励磁回数/回転=24回/4相=6回

定格回転数 6000rpm

駆動周波数 6000rpm /60sx6/2=300Hz

 

6000rpm以下の定格出力と定格トルクの関係(グラフ)は、計算通りになります。

  5.5Nmx2x3.14x6000rpm/60s=3.45KW

  最大トルクは103%となっていますが、?です。

6000rpm以上は駆動回路で差がでるため、検証できません。

  f:id:haratkhr:20170212161755j:plain

特性

f:id:haratkhr:20170215180938j:plain

飽和電流値

  電流波形から判断して30A

サイクルエネルギー

  1/2x(6.5mH-0.6mH)x(21Ax21A)=1.3J

  1/2x(6.5mH-0.6mH)x(30Ax30A)=2.66J

出力の計算 (定格出力3.5KW)

  1.3J(21A)x24回x6000rpm/60s=3.12kW

  2.66J(30A)x24回x6000rpm/60s=4.08kW

トルクの計算 (定格トルク5.5N・m)

  1.3J(21A) X24回/2x3.14=5.0N・m

  2.66J(30A)X24回/2x3.14=10.2N・m

機械出力 の計算法で定格と計算値が近い値になっています。

 

抵抗電圧降下

  0.1Ωx21A=2.1V

  0.1Ωx30A=3.0V

銅損

  0.1Ωx21Ax21A=44.1W

  0.1Ωx30Ax30A=90W

鉄損 

   スーパーコア、磁束密度を1テスラ、300Hz、重量10Kgとすると約70Wになります。

 f:id:haratkhr:20170212161423j:plain

磁路断面、巻数、線径、巻線マド断面、ギャップ長のデータはありません。

インダクタンス値のグラフは30°の範囲でしたので、?です。

 

 比較

3相 IMモータ2極 (SRモータ4相8/6極 )

定格電力3.7KW   (3.5KW)

定格電圧200V    (200V)

定格電流13.8A      (21A) 

駆動周波数60Hz    (300HZ)

定格回転数3510rpm  (6000rpm)

効率89.1% 

力率87.6% 

始動電流115.6A 

定格トルク 9.52N・m ( 5.5N・m)

始動トルク289%

最大トルク398%   (103.1%)

質量34Kg       (15Kg)

外形Φ220mm

 

3相 IMモータ4極 

定格回転数1750rpm  (6000rpm)

定格トルク 20.2N・m ( 5.5N・m)

最大トルク338%   (103.1%)

 質量37.0Kg      (15Kg)

 

3相 IMモータ6極

定格回転数1160rpm  ( 6000rpm)

定格トルク 30.5N・m (5.5N・m)

最大トルク338%    (103.1%)

 質量40.5Kg       (15Kg)

 

このSRモータは低トルクですが、高周波数駆動の高速回転で出力を大きくしています。