DC/DC コンバータには電圧型と電流型があります。
電圧型はほとんどの電気製品で使用されていますが、電流型は一部の電気製品のみです。
但し、リギングチョーク式を電流型とすると、電流型が電圧型より多く使用されていると思います。
下記の回路図は基本的な、電流トランス型DC/DCコンバータ回路で、定電流回路、SW素子、電流トランス、整流回路で構成されています。
SW素子T2、T3は、Duty50%でON-OFFするのみで、T1により電流を制御します。
一次側に定電流回路を設け、電流トランスを介して、二次側の電源に変流された定電流を流します。
(出力電流をきめるが、出力電圧は二次側できめられます。)
電流トランスはムダな励磁がなく、電流波形が方形波で実効値が小さいため、小型、高効率です。(電圧トランスの約1/2以下)
ただ、定電流回路にチョークを使用しているため、急速な負荷変動への対応は遅れます。
電圧型インバー回路の様に見えますがTR1が電流トランスとして動作します。
(2次側にチョークがなく、n1、n2、n3の電圧が出力電圧できめられます。)
電流トランス型DC/DCコンバータ回路はノーマルなシンプルな高効率な回路ですが、あまり使われていません。
この回路はテキスト等で見つけたのでなく、考案、試作して動作を確認しています。(探せばあるはずですが、見かけません。)
最適な例
太陽電池モジュールを一次側に使用した場合は定電流回路は不要で直接にSW素子、電流トランス回路に接続でき、制御は不要です。
DC40V->DC200V 350Wを電圧型の約1/4でできます。
注:
電流トランスのギャップをゼロにすると、へん磁が危惧されますが、、二次側を直流カットCを兼ねた倍電圧整流回路にすると対策になります。
意基本回路のままでは、T2,T3のVCEにTRの漏洩インダクタンスと浮遊容量によるリギング電圧が発生しVCEは高くなりますが、対策回路で完全にカットできます。
有効な、へん磁対策とリギング電圧対策が知られてないために、普及してないと思います。
2017 06 01
訂正
T2、T3のVCEは以下のように決まります。
Vn3=1/2 X 直流出力電圧
Vn1=Vn3 X n1/n3 (Vn2=Vn1)
VCE=2 X Vn1
リギング電圧対策をしないとVCEは共振による振動電圧が加算され約2倍になります。
リギング電圧対策回路は電力損がなしに振動電圧をゼロにクランプできます。
特許出願していませんが効果は絶対です。
尚、リギング電圧対策の詳細説明が必要なら、御連絡をお願いします。
追加、
太陽電池モジュールを一次側に使用した回路の例を示します。
40KHz駆動で効率は95%以上と推定しています。
太陽電池モジュールの出力は定電流特性をもっているので、回路はシンプルです。
T2、T3にパワーMOSFETを使用し、発振回路と、異常時停止回路で構成しています。
2018 03 05
電流トランス型DC/DCコンバータ回路の設計について、ご質問等が御座いましたら、コメントで御連絡下さい。