鉄心の飽和領域の実例として、低周波チョーク(安定器)の励磁曲線を紹介します。
定格時は直線で、最大負荷時は少し曲がっています。
定格時は特性、損失より不飽和領域で動作し、短絡時は電流が温度規格の上限を超えない飽和領域近傍に設定しています。
鉄心カタログのB-H曲線よりATに換算してもとめた曲線を、ギャプのATの直線に、平行移動しを合成すると励磁曲線が求められます。
最大磁束密度Bm:定格時における磁束密度の最大値
短絡最大磁束密度Bms:短絡時(最大負荷時)における磁束密度の最大値
励磁曲線を回転、反転、比率調整するとVーI曲線になります。
鉄心の飽和領域を利用した特性改善の可能性について考えてきましたが、
連続運転トルク時は不飽和領域を使用し、
短時間運転トルク時のみ飽和領域近傍を使用するとします。