haratkhr技報

SRモータ技術研究所

SRG(SRC回路)

SRモータを励磁し外力を加えて回転させると、SRG(SR発電機)になります。

 発電機の場合、励磁エネルギーを電源へ回生する必要が無いため、スイッチが一つのSRC回路と呼ばれる回路がよく用いられます。

励磁電源よりエネルギーをSRGに加えて励磁し、負荷電源へ発電エネルギーを供給します。

発電エネルギーの1/2は励磁エネルギーにまわされます。

SRC回路の動作は励磁期間が異なる2つの方式があります。

 

1.短期励磁期間方式(高励磁電圧、低負荷電圧方式)

正対時に励磁巻き線にスイッチをオンし、高い電圧を印加すると励磁電流が急増していきます、それと同時に、回転子の突極と固定子の突極引き合い、回転子を固定しようとします。

短時間で、励磁電流が設定電流値に到達すると、スイッチをオフし励磁を停止し、ダイオードを介して負荷電源へ電流が流れる状態になります。

回転子に外力を加えて、非正対時の方向へ回転させると、インダクタンスが減少することにより、励磁巻き線に速度起電力が発生します。

励磁巻き線のインダクタンスには 速度起電力-(負荷電圧+ダイオードのオン電圧+Ix巻き線抵抗)の電圧が印加されますが、印加電圧がゼロになるように負荷電圧を設定すると電流はほぼ一定となります。

(インダクタンスへの印加電圧が正の場合電流は増加し、負の場合は低下します。)

このとき速度起電力による電流x負荷電圧が発電出力になります。

非正対時を過ぎてインダクタンスが増加すると速度起電力は反転し負荷への電流は急減します。

 

2.長期励磁期間方式(低励磁電圧、高負荷電圧方式)

正対時に励磁巻き線にスイッチをオンし、低い電圧を印加すると励磁電流が増加していきます。

スイッチをオンしたまま、回転子に外力を加えて、非正対時の方向へ回転させると、インダクタンスが減少することにより、励磁巻き線に速度起電力が発生し、励磁電源電圧に速度起電力がたされて励磁巻き線に印加され、励磁エネルギーが増加します。

回転子が非正対までの約2/3まで進む時まで、スイッチはオンを保ち、励磁エネルギーは増加し続けます。

回転子が非正対までの約2/3に達すると、スイッチはオフし励磁を停止し、ダイオードを介して負荷電源へ電流が流れ、励磁エネルギーが回収され発電となります。

短い1/3の区間で電流を流しきるため、負荷電圧を高く設定します。

下の回路の動作は同一ですが、励磁電源と負荷電源のつながり方が異なります。

負荷電源よりDC-DCコンバータを介して励磁電源へエネルギーを送ります。

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SRGは高効率でなければ、発電できません。

 励磁エネルギーは大きく、発電エネルギーの1/2が必要です。

 

SRMの場合、機械出力が5で、損失が5の場合は、エネルギー10を入れれば回転しますが、

SRG場合、発電が5で、損失が5ならエネルギー出力はゼロです。

 効率が低いモータの場合、ブレーキとして使えますが、発電はできません。