haratkhr技報

SRモータ技術研究所

同期モータ

同期モータの動作は一般に「回転磁界」で説明されています。

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磁界の中に互いに反対の磁極が向きあうように磁石をおいて、外側の界磁のほうを回転させれば、吸引力によって、中の磁石も回転磁界の速さと同じ速さで回転します。

磁石は電磁石または永久磁石PMが使用されます。

PM 同期モータは磁石が磁界をつくるため,励磁電流をなくすことができ、トルク電流のみ流せばいいので、誘導電動機よりも全損比較では30%程度の損失低減となります。
通常、磁石停止中のモータに50~60Hzの商用周波数の交流電圧を加えても、回転磁界の回転速度が速すぎて、右方向と左方向に力を受けてしまい、モータは始動しない。

始動機構を別に設けるか、位置検出付きのインバータで駆動されますが、小型の PM 同期モータは自始動します。

 

この技報の同期モータの概要、動作は以下のとおりとです。

 同期モータを、同期リラクタンスモータ と 同期制御モータ の2種類にわけます。

 

1.同期リラクタンスモータ 

磁界の中に磁石をおいて、外側の電圧を印加する駆動巻線を切り替え(回転)、リラクタンス力によって、中の磁石も回転磁界の速さと同じ速さで回転させます。

 

2.同期制御モータ 

回転子の磁極位置に応じて電圧を印加する駆動巻線を切り替え、印加電圧と速度起電力の差で決まる電流と回転子の磁束の直交でトルクを発生させます。

従って、位置検出器が必須で、一般的にはホールセンサやエンコーダなどが使用されます。

 三相DCブラシレスモータは三相商用周波数で駆動することはありませんが、動作はPM同期モータと同一です。

一般に、 三相DCブラシレスモータの原理の説明では、直流モータの原理との比較で説明されます。

直流モータが整流子で同期をとるのに対し、同期制御モータは位置検出器とインバータ駆動回路で同期をとっています。

DCブラシレスモータと直流モータの特性は同等で、直流モータと同様に同期回転数はなく、印加電圧と速度起電力の関係で回転数が決まります。