haratkhr技報

SRモータ技術研究所

ハイブリッド車用IPMモータ

ハイブリッド車用として、希土類を全く使わないIPMモータの展示会での写真があります。

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実車写真と構造モデル図です。

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展示会の写真よりの仕様推定

3相6極スター結線、3直列2並列接続

推定磁路断面積 35mmX70mm

銅線 3.0mm角銅線

12磁石極(非希土類)

モータの制御装置はリアの電池部に設置されていると推定しています。

 

このモータが採用されていと思われる車の主要緒元は以下の通りです。

電動機(モーター)

最大出力 22KW/1313-2000rpm

最大トルク 160N・m/0-1313rpm

動力用主電池 リチウムイオン電池/48 173V

 

特性確認

最大出力=2πx160N・mx1313rpm/60sec=21.99KW

2000rpmのトルク=160N・mx1313/2000=105N・m

最大出力時の電池電流=22KW/173V=127A

電池容量 5.0AhX173V=0.865Kwh(5Ahとして)

 

電池電流

トルク=160N・mを得るには、電池電流は回転数により変化し、効率=100%と仮定すると以下のようになります。

最大出力時の稼動可能時間=60x60秒x5A/127A=142秒(2.4分)

損失を考慮すると電池電流は各回転数で一定値増加します。(損失は回転数にかわらずほぼ一定です。)

1313rpm時の電池電流=127A 電池出力=22.0KW 稼動時間=2.4分

 1000rpm時の電池電流=97A     電池出力=16.7KW 稼動時間=3.1分

   500rpm時の電池電流=48A     電池出力=8.4KW  稼動時間=6.3分

   250rpm時の電池電流=24A     電池出力=4.1KW  稼動時間=13分

  100rpm時の電池電流=10A        電池出力=1.7KW  稼動時間=30分

定格 5Ahの電池で、電池電流を定格の25.4倍の127Aを効率よく連続で流すことはできないと思います。

電池と並列に高容量コンデンサが接続されていると思います。

実際の電池電流は50A以下と想像しています。

 

一回り大きいPHVが電池容量8.8Kwh、走行距離(jc08モード)68.2kmとのデータがあります。

時速68.2Km/hで走行するのに必要な電力は8.8Kw以下となります。

 

巻線電流

2000rpmの速度起電力を173V以下で160Vと仮定すると、1313rpmの

速度起電力=160Vx1313/2000=105V

巻線電流=22KW/105V=210Aとなります。

 

各値が大きくて、実感が伴いませんが、この寸法で160N・mがでることは確かですので、検討確認作業を続けます。