この技報が考える正弦波AC100Vインバータの基本です。
基本動作
・アームの中点の平均電圧を正弦波と同等になるようにPWM制御します。
・アーム間で位相を180度ずらします。
・アーム間電圧の差がPWM制御されたAC出力になります。
・PWMの周波数成分をローパスフィルターで除去します。
基本回路
キャリア三角波の振幅と正弦波の振幅で出力電圧が決まります。
正弦波は折れ線近似で擬似正弦波にして振幅を一定にしています。
ウィーンブリッジ正弦波発振回路を使用したばあい、振幅を一定にする工夫が必要です。
一般実用回路
モータ駆動用にPWM制御回路(ITU)を内臓したCPUが普及しています。
ITUは、カウンターとコンパレータ等を使用し、アナログPWM回路と同等の動作をしています。
市販の正弦波AC100VインバータにもこのCPUが使用されています。
課題
電圧インバータは、出力電流に関係なく正弦波の位相に従ってスイッチのオン オフ期間が決まります。
従って、出力を短絡するとスイッチのオン抵抗と電源電圧で決まる大電流が流れます。
保護装置は、異常大電流を検出したとき、スイッチが故障するまでに遮断する事が必要ですが不確実です。