haratkhr技報

SRモータ技術研究所

SRモータのトルク発生原理

SRモータのトルク発生原理は、一般的に以下の様になっています。

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SR モータは,励磁された固定子巻線からみた磁気回路の磁気抵抗が最小となるように発生するリラクタンストルクにより回転力を得る。

固定子-回転子間をギャップ中心面で直線近似展開した上図で説明すると、図示の位置に固定子と回転子がある場合にA 相巻線を励磁すれば、回転子はリラクタンストルクにより矢印の方向へ回転することになる。

回転子位置をθ、磁気随伴エネルギーをWm’とすると、一般に一相あたりの瞬時トルクT(θ)は、微小区間でのエネルギー変位を用いて

T(θ) =1/2 ×(i )2 ×dL/dθ で表現される。

 

この技報のSRモータのトルク発生原理は以下のとおりとです。

 

SR モータは,ギャップに蓄積された電磁エネルギー量の変化によるリラクタンスによりトルクを得ている。

回転子位置をθとすると、トルクT(θ)は、微小区間でのギャップに蓄積された電磁エネルギー量の変化を用いて

T(θ) =1/2 ×(i )2 ×dL/dθ で表現される。

回転子位置θを変化させても、飽和電流値は一定で、電流値が一定ならギャップの磁束密度、トルクは変化しません。

 

大トルクを得るには、L値(dL/dθ)、電流を大きくすればOKの様に思われますが、鉄心が飽和するため電流を大きくしてもトルクの増加には限度があります。

飽和するとL値はゼロになりトルクもゼロになります。

ギャップを長くすると、L値は低下しますが、飽和電流値が大きくなるため、ギャップに蓄積できる電磁エネルギー量は増加します。

トルクを大きくするには、ギャップを長くしL値を小さくし、電流を大きくする必要があります。

しかし、ギャップを長くしすぎると、回転子位置をθを変化した時のdL/dθが小さくなりトルクが低下します。

 

DCモータは電磁エネルギーの蓄積によりトルクを得ていないため、ギャップを短くしてもトルクへの影響は少ないと思います。

 

複数の文献で磁化曲線が示され、磁気飽和領域で利用することが望ましいときされているが、ギャップのある磁気回路でどんな動作か理解できません。

又、ギャップを究極の0.1mmとし高効率化が達成できたとの報告もありますが理解できません。