SRモータの検討を始めた時、インターネット上の文献を集めました。
同じようなB-H曲線が多数掲載されていました。
その一例として、 著名な研究者の資料の中に、電流-磁束鎖交数の図に緑色のループと電流波形が掲載されていました。
下図は、その図の形状を模写したものです。
その図をみて、出力はループの面積に比例し、赤色のループにすると出力が大きく出来ると思ました。電流さえ増やせば、簡単に大出力が得られると思いました。
その後、 検討を進めてきて現在は、青色のループとなりました。
この技報では以下の通りとします。
・飽和領域を使用するとムダな励磁電流が流れる。
・ギャップ長を広くするとB-H曲線が右へシフトし最大出力が大きくなる。
・ギャップ長を広くするとB-H曲線の上下の幅が狭くなり力率が低くなる。
・非正対時のL値がゼロに近づくとB-H曲線の上下の幅が広くなり力率があがる。(力率の最大値は50%)
・不飽和領域のループの面積は機械出力に比例するが、飽和領域のループの面積は出力に比例しない。
飽和領域を使用した場合の機械出力の一例を示します。
励磁エネルギー量の差を機械出力エネルギー量とすると、飽和領域を使用しても、機械出力エネルギー量は増加しません。