ラジコンのセンサーレス用ブラシレスアンプを例にして、センサーレスPMモータ駆動を調べてみました。
出力端子電圧/モータ電流(無負荷、電源電圧10V)
3つの出力端子電圧は、無駆動、H固定、PWM出力に切り替わり、出力端子間電圧はPWM制御された矩形波電圧となります。
各ブリッジのハイサイドはONまたは無駆動、ロウサイドはPWM制御または無駆動の動作になっています。
PWMキャリア周波数14.3KHzで電流値を制御しています。
無負荷時の電流波形は、電流値がゼロまで低下していますが、負荷時は全体が持ち上がりゼロまで低下せず、電流の振幅は無負荷時と略同等です。
出力端子電圧/モータ電流(負荷、電源電圧7V)
ブラシレスアンプへの指令パルス幅(1.5mS)が一定で、無負荷で回転している状態で負荷を加えると回転数が低下し電流が増加します。
この動作より、指令パルス幅は出力端子間電圧と比例関係にあると思われます。
センサーレス駆動とは、角度センサーを用いない制御ですが、角度を巻線電圧より推定し、出力電圧を切り替えるタイミンングを決定しています。
パルスモータの様にパルス列にモータが追随するのでなく、モータの角度に合わせて電圧印加巻線を切り替える同期制御です。
始動時は巻線電圧が発生していないので、角度の推定が出来ないため、始動のための特別なパルス電圧を印加し、ローターを不規則に動かせ、動いた時の電圧より角度を推定する方法がとられます。
特別なパルス電圧はモータの特性、負荷に合わせる必要があり、始動トルクが小さく、変化が少ないファン用は比較的容易に始動します。
スムーズな始動は出来ない場合が生じ、始動が失敗するとリトライを繰り返し、その後停止します。
回路構成及び動作の概要
・出力端子電圧より(抵抗ブリッジ+コンパレータ)を介して3角度信号生成
・マイコンによる3角度信号の判定
・マイコンによる3相ブリッジの6FETのON/OFF期間信号の生成
・マイコンによる指令パルス幅判定
・マイコンによるPWM信号の生成
・ドライブ回路によるLサイドFETのON/OFF期間信号とPWM信号の合成
・ドライブ回路によるHサイドFETのON/OFF期間信号合成
・マイコンによるモータ動作シーケンス制御
・ドライブ回路、コンパレータ用+VCC電源
・マイコン、外部用+5V電源
・マイコンによる電源電圧判定
( ・電流検出及び制御回路が見当たりません。)
マイコン制御のシンプルな回路構成ですが、 制御のポイントを確認したいと思っています。