直流モータの動作モードを、速度起電力 で紹介した等価回路の例で、再確認します。
電源とモータ間のエネルギーの伝達は速度起電力を介しておこなわれますが、電流方向によりエネルギーの移動方向が異なります。
通常、電源エネルギー(電源電圧x電流)が、モータ入力エネルギー(速度起電力X電流)になり、駆動出力(トルクX回転数)になりますが、
電源電圧と速度起電力で、電流の値と方向が変化し、モータより電源にエネルギーが戻る場合もあります。
速度起電力に電流が流れ込めば駆動トルクが発生し、速度起電力から電流が流れ出せば制動トルクが発生します。
1.駆動モード
電源エネルギー(10W)がモータ入力エネルギーになり駆動出力(9W)となります。
電源電圧を逆にすると、電流、速度起電力が逆になり、トルクが逆になり逆回転します。
2.回生モード
モータの発電電圧より電源へ電流を流し、機械エネルギー(9W)を電源に回生(8W)します。
モータを力行状態において、電源電圧を速度起電力より低くすると、電流方向が逆になり、制動トルクになり、電源へ回生電流が流れます。
3.発電モード
電流方向をモータより電源へ限定すると、機械エネルギー(10.6W)で発電し、電源へ発電出力(10W)します。
モータの回転を早くするか、界磁を制御して、速度起電力を電源電圧より高くすると電源へ電流が流れます。
モータの回転数をほぼ一定にしないと発電できませんが、回生に比較して、制御システムが簡単(低コスト)で高効率です。
2モーターハイブリッド車は、発電のメリットを利用しているため、1モータより効率が良いと推定しています。
4.発電抵抗ブレ-キモード
発電電圧をモータの巻線抵抗に印加し、機械エネルギー(81W)を抵抗で消費させます。
モータを力行状態において、電源電圧を0Vとすると電流方向が逆になるため制動トルクになり、モータの巻線抵抗に発電電圧印加されます。
5.逆転ブレーキモード
発電抵抗ブレ-キは回転数が低下すると、発電電圧が低下しブレーキ出力(1W)が低下します。
逆方向の電源電圧を印加すると低速でもブレーキ出力(5W)を大きくできます。