haratkhr技報

SRモータ技術研究所

昇降圧コンバータ

昇降圧コンバータは出力に入力電圧よりも高い電圧あるいは低い電圧が得られ、、バッテリ充電器として使用できます。

  

簡単な制御で、高効率を実現できるSEPIC(single ended primary inductance converter)の基本を紹介します。

 

非絶縁昇降圧コンバータ

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2スイッチコンバータ:1つのインダクタと2個のスイッチを使用します。

SEPIC:同一ターン数の2巻線、1つのコンデンサと1個のスイッチを使用します。

 

絶縁コンバータ

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フライバックコンバータは、1次巻線と2次巻線のターン数は任意に設定できます。

 

◎上記コンバータの基本動作は全て同一で、

スイッチをオンさせて、インダクタにエネルギーを蓄積させ、オフ時に蓄積エネルギーを放出し、出力コンデンサを充電します。

ダイオードをFETに替えて同期整流にすると効率が改善できます。

◎フライバックコンバータは1次巻線と2次巻線間のリーケジインダクタンスにより振動電圧が発生するため、VDSの高いFETが必要です。

◎SEPIC はこの振動電圧を吸収できるため、VDSの低いFET使用でき高効率になります。

 

昇降圧SEPIC  例

 DC 5.5-30V  to  DC 0.5-30V ( 35W)

  調整可能な定電流電圧

 出力電流範囲 0~3A     

 入力端子の逆接続護                                                                                     

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〇 FETのVDSは(Vin+ + Vout+)で決まります。

〇設計は、チョークとメイン配線パターンが重要です。

 チョークのL値 = V / di/dt ≒10V/2A  x  2.4μS=12μH

 チョークの飽和電流値 > 3A x 2 x 2

 VDSの細いリンギング電圧は配線パターンのインダクタンスで生じますが、アバランシェ耐量内に抑えることが必要です。

〇専用制御ICを使用し安定に動作しています。

 

降圧コンバータはスイッチが短絡故障すると、出力電圧は入力電圧と同一の異常電圧になりますが、絶縁コンバータとSEPICは出力電圧は0Vになり安全です。

 この異常電圧はヒューズ、zener diodeでは対応できず、降圧コンバータのFMEA対策は困難です。