haratkhr技報

SRモータ技術研究所

SPMモータの速度起電力

SPMモータの速度起電力は、直接測定できます。

 U、V、W巻線電圧を測定してみました。

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SPMモータの速度起電力は、磁石の磁束密度と巻線の仕様より計算できます。

磁石の磁束密度は磁石の特性データと磁路の計算より求めることができますが、今回例にしたSPMモータの特性データはありませんので、

磁束密度を0.2Tと仮定します。

 

エネルギーの蓄積、放出がなければ、

出力 = トルク x 2π x 回転数[r/sec」= 速度起電力 x 電流 

が成立し、トルクを求められます。

速度起電力 = a  x 巻線の巻数Nx 磁極の面積 x 磁束密度 x 回転数[r/sec」

 

トルク = 1/2π x 電流 x a  x 巻数N x 磁極の面積 x 磁束密度

 

又実測の速度起電力よりトルクは求められます。

トルク = 速度起電力 x 電流 x 1/(2πx回転数[r/sec」)

 

検証

1.SPMモータの定格入力電流を当てはめてみる。

U、V端子間速度起電力

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トルク = 速度起電力 x 電流 x 1/(2πx回転数[r/sec」)

    =( 3V x 3.1A)/(2πx11.1)

    = 0.13 N・m

定格トルク=0.2 [N・m] を得るには電流は4.6Aになります。

定格では、機械出力50Wに対して、で入力電力は24VX3.1A=74.4Wです。

巻線等の損失、及び駆動回路のロスをふくみ、定格トルク時の巻線電流は定格からは明確に出来ないと推定しています。     

 

2.磁気回路から速度起電力の計算

磁束密度=0.2Tと仮定する。

磁路断面積=0.024mx0.027m

最大磁束=0.2x0.024x0.027=0.00013 [Wb]

 

 U巻線の磁束の変化

-最大磁束->磁束ゼロ->最大磁束へ25°、25°で変化する。

図1に当てはめてみると25°は6mSとなる。

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 速度起電力=nxdΦ/dt

      = 100ターン x 0.00013Wb/6ms

      = 100x0.00013x1000/6

      = 2.2V

 

磁束密度=0.14Tと仮定すると

 速度起電力=1.5Vとなります。

 

精度の問題が残りますが、検証は出来ていると考えます。