オルタネータはエンジンによって駆動されて、交流電圧が発生し、直流電力を各種の電気負荷へ供給すると共に、鉛バッテリを充電します。
エンジン回転数は車両の走行状況によって変化するのでオルタネータの回転数も変化しますが、ロータの電流を変化させ、発電電圧が一定になる様に制御します。
鉛バッテリは定電圧充電されます。
外観
回路
ロータ
クローポール磁極、円形コイル、スリップリングで構成され、電流を可変して、磁束量を変化させます。
12磁極(6N極 6S極)
直流抵抗 3.9Ω
インダクタンス 34mH(LCメータの値はステータの有無に関係なく同一なので値は?です。)
巻数は数百ターンと思います。
磁路断面積 15cm平方(2.5cmx1.0cmx6極)
線径 Φ0.6mm
推定飽和電流2.0A
非磁性体のステンレスリングがあります。
ヨークの材質は珪素鋼板でなく、一体の純鉄と思われます。
ステータ
3相6極、36スロット、スター結線
巻数 8ターンx6直列(巻線方法は波巻)
線径 Φ1.2mm
直流抵抗(出力端子間) 0.11Ω
インダクタンス(出力端子間)0.12mH(ロータ無時)
0.22mH(ロータ有時)
直流抵抗が意外と大きく30A(12Ax30A=360W)時の電圧は3.3V(30Ax0.11Ω=3.3V)と巻線の損失は99W(30Ax30Ax0.11Ω=99W)と大きい。
整流器
発電電圧波形
ロータ電流を0.3Aから2Aまで変化し、約1-2回転させた時の発電電圧の波形です。
電流を増やすと脈動はありませんが抵抗トルクが増加します。
0.3Aから1.5Aに電流が増えるにつれ、発電電圧は比例して増加するが、2Aでは抵抗トルクの増加による回転速度が低下、又は磁束飽和により1.5Aより高くなっていません。
2.0A時の印加電圧は8Vです。
回転数の変化、出力変動に対して、発電電圧を一定に制御していますが、アイドリングの低回転数での発電電圧を基本にし、高回転時の発電電圧を抑えるように設計されているため、寸法の割には出力が小さく効率は低い。
一般に、機械損失、励磁損失等を全て含んだ場合、エンジンの中速粋の効率は約50%です。