Ni/MH電池(ニッケル水素電池)を調べました。
負極に水素吸蔵合金 MH、正極に水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、電解液に水酸化カリウムを用いた二次電池です。
正極は、出力特性が焼結式より劣るものの体積当りの放電容量を高くできるペースト式(発泡ニッケル製の集電体に活性物質を充填)が主流となっていいます。
負極は、発泡ニッケル製の集電体に水素吸蔵合金粉末とニッケル微粒子触媒が充填されています。
化学反応式
放電時
負極では、燃料電池と同様にH2ガスは、電極内の触媒により活性な水素原子(H-H)となり、水素イオンになり電子を供給するともに水酸イオンと反応して、水が生成されます。
正極では、水とオキシ水酸化ニッケル、電子が反応して水酸化ニッケルと水酸イオンが生成されます。
充電時、
負極では、水を水素イオン(H+)と水酸イオン(OH-)に分解し、水素イオンは電子を受け取って水素原子となり水素吸蔵合金に蓄えられます。
正極では、水酸イオンと水酸化ニッケルが反応して水酸化ニッケルはオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)に変化するとともに、水が生成されます。
特徴
・自己放電や「メモリー効果」もありますが、軽微です。
・リチウムイオン電池に比較して大電流放電が可能です。
・公称電圧は1.2Vと比較的低い。
燃料電池と同様に水の生成が主となります。
H2Oの標準生成ギブズエネルギーは-237.13 kJmol-1より、電圧= 1.2288V となります。
・特性はリチウムイオン電池が優れていますが、価格面ではコバルトを使用しないNi/MH電池が有利です。
充放電特性
内部抵抗が小さく、高速充放電が可能です。
抵抗値は、充電時と放電でと同等です。
水素吸蔵合金
金属の多くは水素と反応して、水素化物MHが生成されます。
一定の熱力学的条件で、温度・圧力の変化によって、吸熱・発熱を伴いながら形成と解離を行う合金を水素吸蔵合金と言います。
電池用としては総合的特性のバランスに優れたAB5型が広く採用されています。
希土類元素に安価なミッシュメタル(Mm)を用い、Niの一部をCo、Mn、Al等で置換したMmNi5-x(Co、Mn、Al)x系合金です。