スマホやEVを通常充電で1時間かかるのを、20分~30分で充電ができる 急速充電 は便利です。
急速充電には発火や発熱の可能性があり注意を要します。
又、充電電流に比例して充電時の損失が増加する本質的なデメリットがあります。
(充電電流を2倍にすると、充電時間は半分になりますが、I2Rは4倍になります。)
急速充電における電池の発熱対策は、冷却で対策可能ですが、損失増加対策は不可です。
単純比較例
スマホ電池充電 4V 5Ah 20Wh 内部抵抗/0.1Ω
1/3C充電 :5/3A 3時間
充電損失 5/3A X 5/3A X 0.1Ω X 3h= 0.83Wh
1/2C充電 :2.5A 2時間
充電損失 2.5A X 2.5A X 0.1Ω X 2h= 1.25Wh
1C充電 :5A 1時間
充電損失 5A X 5A X 0.1Ω X 1h= 2.5Wh
2C充電 :10A 0.5時間
充電損失 10A X 10A X 0.1Ω X 0.5h= 5Wh
3C充電 :15A 0.333時間
充電損失 15A X 15A X 0.1Ω X 0.333h= 7.5Wh
(仮に内部抵抗値を0.1Ωとし、抵抗値が変化しないとした計算です。)
充電時の内部抵抗は電池で決まり、外部から制御して小さくすることは不可で、急速充電時の性能は電池の固有特性で決まります。
充電時の内部抵抗値が0.01Ωの場合、3C充電での損失電力は2.25Wになります。
15A X 15A X 0.01Ω = 2.25W
電池の発熱が低い「1/3C以下の通常充電」は時間が掛かりますが、電池に優しく低損失 で安全です。
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