haratkhr技報

SRモータ技術研究所

同期整流回路

SRモータの励磁電流は力率が低いため大きくなります。電源電圧が低いと電流はさらに大きくなります。

下記の変形HB回路の場合で、PWM制御をすると、D1の電圧による損失が問題になります。

例えば20A流すとD1の損失は、20AX1V=20Wになります。

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D1の損失を下げるには、ダイオードにかえてFETを使用します。

FETがオン時、順逆方向とも抵抗値は同一であることを利用します。

小さいオン抵抗のFET、例えば5mΩを使えば、20AX100mV=2Wです。

ゲート信号を逆電流が流れている期間のみ、印加する様に制御します。

 

同期整流回路は、5V以下の低電圧の大電流出力のチョパー式の電源回路でよく用いられています。

ショットキーダイオードより高効率です。

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電源の場合、専用ICを使えば、適切なゲート信号が得られます。

SRモータの駆動回路の場合、専用ICがありませんので、回路動作をよく検討して制御回路を設計します。

制御の不具合によりゲート信号の停止が遅れると、二つのFETが同時にオンする期間生じ、電源短絡の貫通スパイク電流が流れます。