haratkhr技報

SRモータ技術研究所

RBLI則

リラクタンスにより発生する力の法則として、 リラクタンスBLI則( RBLI則 ) を考えました。

 

BLI則

磁界Bに置かれている導体に電流Iが流れると、

  導体に F = B L I  の力が発生します。

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一般に、BLI則はモータの動作説明に用いられています。

 

SRモータはリラクタンスに関係する力で動作するため、BLI則で説明できません。

一般に、リラクタンストルクは微小区間でのエネルギー変位を用いて

  T(θ) =1/2 ×(i )2 ×dL/dθ となります。

この式では、トルクの計算にL値が必要です。

SRモータの現物があれば、L値を測定できますが、L値を計算するには、有限要素法(FEM)解析等が必要で、トルクの計算はBLI則の様に簡単でありません。

 

RBLI則

コイルに電流Iが流れ、電流により鉄心が相対するギャップの磁束密度がBの状態で、

  可動鉄心を正対位置より上下方向に移動させようとすると、移動を阻止する上下方向の力

  F = 1/2 B L I  の力が発生する。

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上図では、可動鉄心は正対位置です。

正対位置より移動してもギャップの磁束密度は変化しないため、Fは変化しません。

コイルの巻数をnとすると、F = 1/2 B L I  n  となります。

 長さXはFに関係しませんが、仕事量に比例します。

 全ての磁束は鉄心を通るとした理想モデルで、漏洩磁束は含まれていません。

電流Iが同一でも、ギャップ寸法により磁束密度Bは変わります。

可動鉄心を正対位置より左右方向に移動させようとすると、移動を阻止する左右方向の力

  F ´= 1/2 B X I  の力が発生する。

 

RBLI則を使うと、鉄心形状、巻数、電流より磁束密度Bを計算し、可動鉄心に働く力を求めることができるため、SRモータの基本設計が容易になります。

磁気回路の設計は トランスの設計  と チョークの設計  を参考にして下さい。

 

尚、RBLI則を使わなくても、電磁誘導の法則をつかえば可動鉄心への力を求めることができます。

 RBLI則は、ファラデーの電磁誘導の法則と、SRモータの基本動作より導きました。

 

おことわり

 RBLI則の検証はできていません。