haratkhr技報

SRモータ技術研究所

MMCの動作

MMC出力電圧 の「シュミレーション回路例 2セル」を例にして、この技報が推定したMMCの動作を紹介します。

  

 シュミレーション回路例 2セル

f:id:haratkhr:20201001225236j:plain

各セルの出力電圧

f:id:haratkhr:20201019153455j:plain

 動作

・各セルは共通の正弦波とセル毎に位相差のある三角派で変調され、各セルの出力電圧は100VのPWM波形です。

ハイサイドの駆動信号は、ロウサイドの駆動信号の反転信号です。

  ロウサイド出力電圧=100V + A・Sinθ

  ハイサイド出力電圧=200V - (100V - A・Sinθ )

           =100V + A・Sinθ

 ・ハイサイドの各セルのコンデンサは、動作前は電源電圧の1/4に分圧され50Vですが、ロウサイドのセルがすべてオンになった時に電源電圧の1/2の100Vまで充電されます。

ロウサイド各セルのコンデンサ電圧は、同様にハイサイドのセルがすべてオンになった時に100Vまで充電されます。

・PWM搬送波の位相をずらす位相シフト制御より、出力電圧はセルの数に比例した段がつき、高調波成分が低減します。

位相差のない単一のPWM搬送波を使用すると段は生じず、高調波成分は低減しない。

 

MMCは、各セルのコンデンサを特別な回路を使用せず充放電できるメリットがありますが、ハイサイドとロウサイドにセルが必要なので、半導体スイッチの数は 2レベルインバータの2倍になります。