DCモータは性能表と性能線図がメーカーから公表されています。
性能表と性能線図の例
電源電圧 :7.2V
無負荷特性 :N0=2300rpm I0=2.4A
停動特性 :Is=70A Ts=0.195N・m
最高効率特性:N=20000rpm I=13A T=0.031N・m OUTPUT=62W
このデータは電源電圧が7.2V固定の特性であり、等価回路より特性は理解できます。
グラフより、推定最大出力特性は、N=13000rpm I=35A T=0.085N・m OUTPUT=116W 入力電力=252W 効率46%となります。
モータ4点性能の N0、I0、Isは簡単に求まりますが、Tsの測定には高精度の設備が必要です。
電流の大きなモータでは発熱の関係で誤差が生じるため、中間出力の測定値から計算で求めるとなっています。
鉄心の飽和等で計算誤差が大きい場合があると思っています。
Y-Δ切替駆動 の中で紹介した、電源電圧を高速回転時に昇圧コンバータを用い高くし、最高回転数、最大出力を上げる制御法があります。
電源電圧を2倍にすると、性能線図は以下の様になります。
どの段階から電源電圧を高くする選択肢は色々ありますが、電流が大きくなりすぎると鉄心が飽和してトルクが出なくなります。
電源電圧、回転数を上げると、同一の電流(同一の銅損)で出力が大きくなるので効率が改善されます。
ブラシレスモータの制御は、回転数を変えるためにPWMで電圧を頻繁にかえますが、回転数を上げようととして電圧を高くした時、電流は増加しますが、回転数が増加せず、出力の限界を経験します。
鉄心の飽和が関係していると考えていますが、解明出来ていません。
Tsを高精度で測定する方法を考えています。