燃料電池を調べました。
1.一般の説明
・マイナスの電極では、H2ガスは、電極内の触媒に吸着され活性な水素原子(H-H)となります。
・この水素原子は、水素イオン(2H+)となり2個の電子(2e-)を外部回路を通ってプラスの電極への電流となります。
・プラスの電極では、電極内の触媒に吸着された酸素分子(O2)が外部回路からの電子を受け取り酸素イオン(O2-)となります。
・マイナス電極で発生した水素イオン(2H+)は、電解質を伝ってプラスの電極に移動し、酸素イオン(O2-)と結合し水(H2O)になります。
2.中学校理科3年用の教科「化学変化と電池」の説明
「(簡易)電気分解装置で水の電気分解を行った後,電源を外して電極に電子オルゴールをつなぐと,水素と酸素が化合するときに出るエネルギーで電子オルゴールが鳴る。このしくみの電池を燃料電池とよぶ。
電気分解を行った直後約2 Vの電圧が発生し、その後下がっていくので、燃料電池としての反応でなく、キャパシタができているのではとの報告があります。
3.ギブズエネルギーをもとにした説明
・水素H2と酸素O2の反応は自発変化でH2の出した電子をO2が受けとる反応だから、
電子のやりとりを別々の電極でさせれば電池ができる。
・反応は、水の電気分解の逆である。
・水H2Oの標準生成ギブズエネルギーは-237.13 kJmol-1で、
上式の酸素1モルあたりではその2倍だから、
反応のギブズエネルギー減少分( J単位)は474260 Jとなる。
このとき動く電子は4モル、その電荷はファラデー定数の4倍なので、
474260 J = 4×96485 C × 電圧 より
電圧= 1.2288V が得られる。
4.電極触媒
効率よく大電流を得るには、高い触媒特性を持つ高価な白金が大量に必要です。
カソード触媒 : カーボン担持 Pt触媒、Pt合金触媒
アノード触媒 : カーボン担持 Pt触媒、PtRu触媒、PtRuブラック触媒
白金の減量対策 :
超微粒子化による表面積増、ニッケルやコバルトなどとの合金化