FSRM (Field Type SR Motor)の動作を紹介します。
SRM(Switched reluctance motor)の回転原理は、SynRMと異なりシンプルで、各種文献で周知です。
FSRMの動作を SRMと比較して説明します。
SRMの回転動作
・上記のローター位置で、PhaseCに電流を流すと、突極 c c'がローターの突極を吸引して右へ30度回転します。
(その後、PhaseB、PhaseAと切り替え回転を続けます。)
FSRMの回転動作
界磁巻線に電流を流すと界磁が発生し、突極 a a'がローターの突極を吸引しています。
・上記のローター位置で、界磁磁束と同方向になる様にPhaseCに電流を流すと、突極 c c'がローターの突極を吸引して右への回転力が発生します。
・同時に、界磁磁束と逆方向になる様にPhaseAに電流を流すと突極 a a'とローターの突極の吸引力が減少します。
(右へ30度回転後、PhaseAとPhaseB、PhaseBとPhaseCと切り替え回転を続けます。)
SRMの発電機動作
・上記のローター位置で、PhaseAに電流を流し突極 a a'とローターの突極が吸引した状態で、外力によりローターを回転させると、PhaseAの電流が増加しこの電流を電源に回生します。
FSRMの発電機動作
・上記のローター位置で、ローターを右へ回転させると、c c' の磁束が増加、a a' の磁束が減少し、PhaseC とPhaseA に誘起電圧(発電電圧)が発生します。
FSRMのトルク
DCモーターのトルクは誘起電圧と巻線電流より求められます。
FSRMのトルクも誘起電圧と巻線電流より求められます。
力率
SRM、SynRMは励磁とトルクを同一の巻線で供給するため力率が低い弱点があります。FSRMは励磁専用の巻線があるため、トルクを発生させる巻線は高力率になります。
FSRMはレアアースフリーEV用モータ に最適と考えています。